同世代2018年、同い年の坂本 花織は、平昌五輪で6位に入賞 →
目次
ダンス部の舞台から、俳優を志す
平成12〜
東京都練馬区に生まれる
三人姉妹の長女。親戚が集まると一人ひとつ芸を披露する決まりがあり、幼い頃から手話で歌ったり弾き語りをしたりと、人前に出ることをむしろ喜んでいたという。
小学3年生でダンスを始める
運動は苦手で、体力テストはいつもC評価だった。妹が通うダンススタジオについて行き、バレエのクラスは泣いて帰ったが、母がヒップホップのクラスに変えてくれてから踊ることが楽しくなった。
都立国際高校でダンス部に入る
中学ではダンスから一度離れたが、東京都立国際高等学校で再びダンス部に入り、リーダーを務めた。部では振付や音源の編集、衣装の制作まで生徒が決めて作品をゼロから作り上げるのが習わしで、ダンスや演劇が盛んな校風のなか、行事のたびに踊ったり歌ったりしていた。
『コーラスライン』を観て、俳優を目指す
文化祭のクラス劇で『コーラスライン』をもとにした舞台『平成最後の夏だった』を作っていた高校3年の夏、勉強のため渋谷で上演中のミュージカルを観に行く。そこで俳優の道に進もうと決めた。母も進路を認めた。一般大学に通いながらオーディションを受けるつもりだった進路を、ぎりぎりで演劇を学べる大学に変え、事務所にも応募する。本人はこの夏を「これが転機だったのかもしれません」と振り返っている。
本人その舞台を見て、「こっちの世界に懸けよう」ってふと思いました。 出典
『あみこ』を観て、山中瑶子に手紙を渡す
ポレポレ東中野で、山中瑶子が19歳で撮った自主映画『あみこ』を観る。もう一度観に行った際、山中に「女優になります。まだ何の経験もないのに変なこと言ってると思うかもしれないですが、いつかキャスティングリストに入れてください」と書いた手紙を渡した。同じ劇場のロビーでフォトグラファーの芝山健太が出演を依頼した。
鈍牛倶楽部の面接に合格する
高校在学中に何社かへ履歴書を送り、そのひとつ鈍牛倶楽部の面接に合格した。面接では高校の英語の先生のモノマネを披露したという。一方で、18歳での出発は遅すぎるのではないかという思いを抱いていた。
本人事務所のオーディションとか受けるときも、『スタートは遅いかもしれませんが……』みたいに、誰にも責められてもいないのに勝手に言い訳をしていた 出典
自主映画のデビュー、新人賞が続く
令和元〜
デビュー、日本大学芸術学部に進む
2月にデビューする。この年、芝山健太が監督した自主映画『よどみなく、やまない』で主演し、これが初めての映画出演になった。限られた劇場で計4回上映されただけの、ささやかな出発だった。日本大学芸術学部の演劇学科に進み、同級生の見上愛とはここで知り合う。5月にはTBS『インハンド』第4話でテレビドラマに初めて出演した。
初舞台『some day』に立つ
映画の撮影を抜けて稽古に入った初舞台で、作・演出の倉本朋幸に「感情を考えないで、シチュエーションだけを考える。感情はあとからついてくる」と教わる。撮影に戻って実践すると、監督に「あれ、良くなりましたね」と言われた。
大学は中退へ、舞台『フリムンシスターズ』に出演
大学2年になる頃にコロナ禍で授業がリモートになり、これを機に俳優業へ移って、のちに中退する。10月からは松尾スズキ作・演出の舞台『フリムンシスターズ』に出演し、阿部サダヲと初めて同じ舞台に立った。11月には映画『佐々木、イン、マイマイン』が公開されている。
本人過去に書き溜めていたノートを久しぶりに開きました。『映画やテレビに出たりするのかな』なんて書いていて、当時の自分をかわいく思うと同時に、願いが叶っていることに驚き。 出典
『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』が続けて公開
8月公開の『サマーフィルムにのって』では時代劇を撮る映画部に協力する天文部の女子高生・ビート板を、9月公開の『由宇子の天秤』では学習塾経営者の子を妊娠した女子高生・小畑萌を演じた。『由宇子の天秤』の役に合うかを見極めるため春本雄二郎監督が主宰するワークショップに参加し、そこでは自分の番になると部屋を出て、叫び声を上げながら入るところから芝居を始めたという。
キネマ旬報とブルーリボン賞で新人賞
『サマーフィルムにのって』『由宇子の天秤』などで、キネマ旬報ベスト・テンの新人女優賞と、ブルーリボン賞の新人賞を受けた。受賞を一番伝えたい相手には母を挙げている。主役をやりたいとは「あまり思わない」と話し、この年を「怖がらず、やっていく年にしたいです!」と語った。
本人前を向いて走っている時に、肩をたたいて呼び止められたような気持ち。 出典
8本の映画に出演し、日刊スポーツ映画大賞の新人賞
この年は『PLAN75』でコールセンターに勤める成宮瑶子を演じたほか、『冬薔薇』『ある男』『女子高生に殺されたい』など8本の映画に出演した。5月からは松尾スズキの舞台『ドライブイン カリフォルニア』で再び阿部サダヲと共演。12月に日刊スポーツ映画大賞の新人賞を受けた。
主演作、そして小川純子
令和5〜
『少女は卒業しない』で長編映画初主演
朝井リョウの連作短編を映画化した作品で、卒業生代表の答辞を担当する山城まなみを演じ、初めて長編映画で主演した。出演作が増えていく中で怖いのは、セリフを言えば演じたことになってしまう「こなしてしまうこと」だと話している。
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』で連続ドラマ初主演
岸田奈美の実話をもとにしたNHK BSプレミアムのドラマで、初めて連続ドラマの主演を務める。演じたのは主人公の岸本七実で、母を坂井真紀、父を錦戸亮が演じた。関西が舞台の作品で、関西弁で演じている。
『不適切にもほどがある!』で小川純子を演じる
宮藤官九郎脚本、阿部サダヲ主演のTBSドラマで、阿部が演じる市郎の一人娘・小川純子を演じる。非行を繰り返して父と言い争いが絶えないが、本当は父親思いの役。プロデューサーは『PLAN75』と主演ドラマを観てファンになり、役を依頼した。『ふてほど』と略されたドラマは2024年の年間流行語大賞となり、ザテレビジョンドラマアカデミー賞では助演女優賞を受けた。本人はこの作品を、たくさんの人に知ってもらえた点でキャリアの大きな作品に挙げている。
本人たくさんの人に知ってもらえたという意味で、『不適切にもほどがある!』はすごく大きかったです。 出典
主演作『ナミビアの砂漠』がカンヌで国際映画批評家連盟賞
高校3年で『あみこ』を観て手紙を渡した山中瑶子の監督作で、21歳のカナを演じた。脚本は一度白紙に戻り、山中と何度も会って話す中で生まれたという。作品は第77回カンヌ国際映画祭の監督週間に招かれ、公式上映に立ち会った。国際映画批評家連盟賞を受け、日本では9月6日に公開。本人はこの作品と同じ年に公開された『あんのこと』を「やっぱり大きな転機でしたね」と振り返り、どちらも真ん中で演じる立場として多くのことを学んだと語っている。
『神の子はつぶやく』で放送文化基金賞の演技賞
2023年11月にNHK総合で放送された『NHKスペシャル「シリーズ“宗教2世”神の子はつぶやく」』で主演し、演技賞に選ばれた。番組はドラマ部門の最優秀賞を受けている。
主演映画『あんのこと』公開
入江悠監督が実在の女性をモデルに描いた作品で、母に暴力を振るわれ薬物に溺れながら、更生の道を歩み始めた矢先にコロナ禍で居場所を失っていく杏を演じる。監督から年齢的に杏のことが分かるはずだと言われ、自分の体でストーリーを担う感覚で臨み、体重も減ったという。翌年3月、この作品で日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受ける。6月28日公開の劇場アニメ『ルックバック』では主人公の藤野の声を担当した。
本人だからこそ強く、『彼女を守りたい』と感じたんだと思います。 出典
最優秀主演女優賞を受け、朝ドラの主演へ
令和7〜
ブルーリボン賞とキネマ旬報で主演女優賞
『あんのこと』『ナミビアの砂漠』で、1月にブルーリボン賞の主演女優賞が決まり、2月にはキネマ旬報ベスト・テンでも主演女優賞を受けた。3年前にはいずれも新人賞を受けた賞だった。
『あんのこと』で日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞
第48回日本アカデミー賞の授賞式で、草笛光子、石原さとみ、満島ひかり、上白石萌音とともに優秀主演女優賞に並んだ中から、最優秀主演女優賞に選ばれた。5人の中で最も若い24歳で、発表されると会場がどよめいた。自身を「未熟で新参者」と呼んで喜びを語った。
本人この映画の世界に足に踏み入れて本当によかったな、と心の底から思っています 出典
朝ドラ『あんぱん』で朝田蘭子を演じる
今田美桜がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説で、朝田家の次女・蘭子を第11回から第129回まで演じた。真面目で器用なしっかり者で、誰が何を考えているかを察して動く役どころ。初めての朝ドラ出演だった。6月には早川千絵監督の『ルノワール』が公開された。
出演作『旅と日々』がロカルノで金豹賞
8月、つげ義春の作品を原作とする三宅唱監督の『旅と日々』が第78回ロカルノ国際映画祭のコンペティションで上映され、主演のシム・ウンギョンらと参加する。作品は最高賞の金豹賞を受け、日本映画では18年ぶりの受賞となった。渚を演じ、日本では11月7日に公開。
岩松了の舞台『私を探さないで』に出演
3年ぶりの舞台で、大学でレポートを書いたこともある岩松了の作品に初めて参加した。勝地涼、小泉今日子らと本多劇場に立ち、三沢アキラを演じる。岩松の作品は以前から観続けていたという。
『不適切にもほどがある!』のスペシャルで再び純子に
連続ドラマから引き続き小川純子を演じ、TBSのスペシャルドラマに出演した。3月からはNHK総合『プロフェッショナル 仕事の流儀』のナレーションを担当している。
2028年前期の朝ドラ『ほんのモキチ』の主演に決まる
宮藤官九郎が『あまちゃん』以来15年ぶりに作を手がける連続テレビ小説で、歌人・斎藤茂吉の妻の斎藤輝子をモデルにした役を演じる。オーディションではなく制作側からのオファーだった。宮藤は夫婦げんかを喜劇にするにあたり、真っ先に河合が思い浮かんだと話した。
本人手放しにうれしいとかではなく、心臓がバクバクした。そのことしか考えられなくなる魔力があるものだった。今は覚悟が決まってやる気満々です! 出典
『ポリティカルパン』と『俺のこと、なんか言ってた?』に出演
10月7日からのフジテレビ系『ポリティカルパン』で、石原さとみが演じる主人公に利用される元総理の娘・小早川雅を演じる。フジテレビ系の連続ドラマへの出演はこれが初めて。10月22日からはNetflixで『俺のこと、なんか言ってた?』が配信され、野々村エマを演じている。