バレエに生きた少女
平成2〜
東京都に生まれる
父は俳優の水谷豊、母は歌手でキャンディーズの「ラン」として知られる伊藤蘭。芸能一家に生まれたが、本人はその出自を前面に出すことを長く避けてきた。
4歳でクラシックバレエを始める
井上バレエ団でバレエを習い始め、6歳で初舞台に立つ。小学5年生のとき憧れの『くるみ割り人形』で主役クララを演じた頃から、本格的にバレリーナを志すようになった。
本人生活のすべてがバレエ一色だった。
15歳で単身イギリスへバレエ留学
高校進学のタイミングでオーディションに合格し、夢を追ってイギリスのバレエ学校へ留学した。
— 度重なる怪我でバレエの道を断たれる
アキレス腱断裂や足首の剥離骨折に見舞われ、医師から「前みたいには踊れない」と告げられて治療のため帰国。捧げてきた夢を失い、失意の日々を過ごした。
本人踊れない自分に、何が残るのか分からなかった。
演技の世界へ踏み出す
高等学校卒業程度認定試験を経て、俳優養成所アクターズクリニックに参加。表現することへの渇望を、バレエから演技へと向け直していった。
一人の役者として立つ
平成23〜
— 『3年B組金八先生ファイナル』で俳優デビュー
TBSの国民的ドラマの最終章で柴崎茜役を演じ、俳優としての一歩を踏み出した。両親の名に頼らず、無名の新人として現場に立つことを選んだ。
映画『おとぎ話みたい』で初の女優賞
自主映画の祭典MOOSIC LAB 2013で最優秀女優賞を受賞。インディペンデント映画の現場で存在感を示し、評価され始めた。
劇団オーストラ・マコンドーに参加
舞台を主軸とする劇団に所属し、生身の表現を磨く。映像と並行して舞台への出演を重ねていった。
映画『東京の日』で映画初主演/トップコートへ
アカリ役で映画初主演を務めた。この年、現在まで所属する事務所トップコートに加入し、活動の足場を固めた。
『ブラックペアン』で新人賞
二宮和也主演のTBS系人気ドラマに出演し、コンフィデンスアワード・ドラマ賞の新人賞を受賞。話題作での確かな仕事が注目を集めた。
— 映画『生きてるだけで、愛。』で主演・寧子役
感情の起伏が激しい難役を体当たりで演じ、その演技が国内の映画賞で高く評価された。役者としての真価を世に示した一作となった。
世間「全身で生きる演技」と批評家を驚かせた。
ブレイク、そして朝ドラへ
令和1〜
『生きてるだけで、愛。』で新人賞を総なめに
第42回日本アカデミー賞新人俳優賞、高崎映画祭最優秀主演女優賞、おおさかシネマフェスティバル主演女優賞などを相次いで受賞。実力派としての評価を確立した。
『流浪の月』など話題作に出演
李相日監督『流浪の月』をはじめ、『空白』『もっと超越した所へ。』など重厚な映画作品に立て続けに出演。難役を担う女優として現場の信頼を集めた。
連続テレビ小説『ブギウギ』ヒロインに選出
2471人が応募したオーディションを勝ち抜き、ヒロイン・花田鈴子(福来スズ子)役に決定。歌って踊る役柄は、かつてのバレエ経験と歌への素養が結びつくものだった。
— 朝ドラ『ブギウギ』のヒロインを半年間演じる
「ブギの女王」笠置シヅ子をモデルにした主人公・福来スズ子を熱演。歌唱シーンも自ら務め、主題歌「ハッピー☆ブギ」や劇中歌を歌い、全国の茶の間に親しまれた。
世間「朝から元気をもらえる」と国民的な人気を呼んだ。
映画『ほかげ』で戦後を生きる女を主演
塚本晋也監督作で、焼け跡に生きる女性を演じた。この演技で翌年のキネマ旬報ベスト・テン主演女優賞を受賞している。
『NHK紅白歌合戦』に福来スズ子として出演
年末の紅白歌合戦に「福来スズ子」として登場し、「東京ブギウギ」を披露。ドラマの熱気を歌でも届けた。
『ブギウギ』『ほかげ』で各賞を受賞
キネマ旬報主演女優賞(『ほかげ』)、橋田賞新人賞、ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演女優賞(『ブギウギ』)などを受賞。連続ドラマ『モンスター』でも主演を務めた。
表現を、続ける
令和7〜
結婚と第1子の妊娠を発表
BE:FIRSTの三山凌輝との結婚、および第1子を授かったことを連名で発表。9月には第1子の誕生を報告し、母としての新たな一歩を踏み出した。
『世にも奇妙な物語』で初主演
『世にも奇妙な物語 ’26夏の特別編』の一編「実家じまい」(6月27日放送)に初出演・初主演。母の葬儀を終えて実家を片付ける女性を演じた。
映画・ドラマで途切れなく活動を続ける
木村拓哉主演の映画『教場 Requiem』、稲垣吾郎ら主演の映画『バナ穴 BANA_ANA』、『踊る大捜査線』最新作、ドラマ『大空港〜GATE24〜』など、公開・放送を控える出演作が相次ぐ。挫折を越えてつかんだ表現の場で、役者として走り続けている。