富山と大阪の修行時代
平成11〜
JT将棋日本シリーズこども大会で年下に完敗、本格的に将棋を始める
小学3年生の夏、担任の先生から案内を受け、新潟県で開かれたJT将棋日本シリーズこども大会に出場。年下の相手に完敗した悔しさから、本格的に将棋を始めた。教えを請うたのは地元の大会で出会ったアマ有段者の「はんこ屋のおじさん」で、放課後や休みの日に通い詰め、2枚落ちから盤を挟んだ。
本人全然緩めてくれなくて、結構泣かされた記憶もあります。定跡を覚えるのではなく、指してみてダメなら工夫する。富山で将棋の基礎ができました 出典
小学5年で関西研修会に入会
小学5年生で関西研修会に入会した。翌年の6年生のときにはJTのテーブルマークこども大会で優勝。決勝で和服を着て戦う姿を見て「来年は私も和服を着たい」と毎年目標にしてきた大会だった。
関西奨励会に6級で入会
富山市立南部中学校の1年時に全国中学生選抜将棋選手権大会へ富山県代表として出場。1年生だった2013年3月に研修会でAクラスに昇級して奨励会6級の入会資格を得て、2年生になった4月に関西奨励会へ入会した。同じ関西奨励会には約半年前に藤井聡太が入会しており、奨励会時代に何度か対戦している。
家族で大阪へ転居、関西将棋会館の棋士室に日参
姉の大学進学に合わせ、中学3年生の春に家族で大阪市へ引っ越した。学校帰りに関西将棋会館の棋士室へ通うことを日課にしたが、まだ3、4級で先輩に練習将棋を申し出られないまま2週間が過ぎた。背中を押したのは奨励会幹事だった山崎隆之の言葉で、以降は10秒将棋や20秒将棋を多い日は20局指し、終電で帰ることもあった。級位者の頃には棋士室で有吉道夫に声をかけられて一局指し、「君はもっと強くなるよ」と言われたことが奨励会突破の原動力になったという。
本人『自分から声をかけないとダメだよ。お願いされたら結構うれしいものだから』と言われて。勇気を振り絞りました 出典
三段に昇段、初参加の三段リーグで次点
2017年10月に三段へ昇段。初参加の三段リーグ(2017年度後期)では14勝4敗の好成績を挙げながら順位差で次点にとどまり、1期抜けはならなかった。大阪市立中央高校時代には友人と漫才コンビ「もぐら部隊」を結成し、文化祭や路上で活動していた。
加古川青流戦で準優勝、「四段になってこの舞台に戻ってきたい」
奨励会員枠で出場した第9期加古川青流戦で決勝三番勝負に進み、1勝2敗で準優勝。決勝敗退後に残した言葉が、2年後に現実になる。
本人また来年、四段になってこの舞台に戻ってきたい 出典
三段リーグを14勝4敗で突破、四段に昇段しプロ入り
2020年3月7日の第66回三段リーグ最終日、12勝4敗で迎えた2局に連勝して14勝4敗。同じ14勝4敗で並んだ谷合廣紀とともに4月1日付で四段に昇段し、リーグ順位が上だった服部が棋士番号322、谷合が323となった。三段リーグでは初参加以来あと一歩で昇段を逃し続けており、昇段後の会見では「実感がまだわきません」と語った。同日付で編入試験合格の折田翔吾もプロ入りしている。
本人定跡にはとらわれない、個性あふれる将棋を指したいです。タイトルホルダーになるのが夢。 出典
若手棋戦を制す
令和2〜
デビュー3勝1敗の夜、藤井聡太の最年少タイトル獲得を知る
7月16日、順位戦2回戦に勝ってデビューからの戦績を3勝1敗とした夜、東京・将棋会館の対局室を出て、預けていたスマートフォンの電源を入れると、藤井聡太の史上最年少タイトル獲得のニュースが目に入った。奨励会時代には藤井の公式戦の記録係を自ら希望して務めていた。
本人やっぱり、すごい悔しかったです。でも、それに目を背けてはいけないと思っていました。受け入れて勉強していくことが大事なのだと。 出典
加古川青流戦で一般棋戦初優勝
第11期加古川青流戦の決勝三番勝負(9月25・26日、加古川市の鶴林寺)で井田明宏四段と対戦し、2勝1敗で一般棋戦初優勝を果たした。2年前に三段として準優勝した舞台に、宣言どおり四段になって戻ってきた形になった。初参加の第79期順位戦C級2組は8勝2敗ながら順位差で5位となり、昇級を逃している。
叡王戦で四段予選から挑戦者決定戦に進むも、出口若武に敗れる
第7期叡王戦で四段予選を勝ち抜き本戦へ。八代弥七段、豊島将之九段、船江恒平六段を破り、四段予選の勝ち抜き者として初めて挑戦者決定戦に進んだが、4月2日の決定戦で出口若武五段に最終盤で逆転を許し、タイトル挑戦はならなかった。前年度の順位戦C級2組は8勝2敗の4位で、再び昇級を逃した。
ABEMAトーナメントでチーム稲葉が初優勝
早指し団体戦の第5回ABEMAトーナメント決勝で、稲葉陽八段・出口若武六段と組んだチーム稲葉がチーム斎藤を5勝1敗で下し初優勝。苗字にちなむ「忍者」の異名を持つ最年少の服部の爆発力を原動力に、予選から勝ち上がったチームだった。
通算100勝で五段に昇段、王将リーグ入りも
9月30日、石川優太五段に勝ってプロ入り後の通算100勝に到達し、五段に昇段した。同じ9月には、若手棋士のイベントでの罰ゲームがきっかけで、冨田誠也と漫才コンビ「もぐら兄弟」を結成している。この年度は第72期王将戦で一次予選から勝ち上がり、四段としては4人目となる挑戦者決定リーグ入りも果たした。リーグでは渡辺明名人と永瀬拓矢王座から白星を挙げたが、2勝4敗で陥落した。
新人王戦で初優勝、2度目の若手棋戦制覇
第53期新人王戦の決勝三番勝負で黒田尭之五段と対戦し、11月1日の第3局(関西将棋会館)を制して2勝1敗で新人王に。前年の加古川青流戦に続く若手棋戦2度目の優勝となった。12月の表彰式では同門の兄弟子・村田顕弘から「体で覚えた服部将棋の魅力を、これからも存分に披露してください」と祝辞を贈られた。
将棋大賞の新人賞と最多対局賞を受賞、順位戦C級1組へ昇級
2022年度は第81期順位戦C級2組で9勝1敗としてC級1組へ昇級し、竜王戦も6組から5組へ上がった。年度を通じて対局数68局は1位、勝利数50勝と15連勝はいずれも2位。4月3日の第50回将棋大賞選考委員会で新人賞と記録部門の最多対局賞に選ばれた。
竜王戦の連続昇級で六段に
4月20日、第36期竜王戦5組ランキング戦準決勝で杉本和陽五段に勝って4組への連続昇級を決め、規定により六段に昇段した。
勝率9割の飛躍
令和6〜
順位戦C級1組を10戦全勝、B級2組へ昇級
第82期順位戦C級1組で10戦全勝を果たし、B級2組へ昇級した。前期C級2組の最終戦から続く順位戦の連勝は11に伸びていた。
新人王戦2度目の優勝、M-1グランプリにも出場した年
第55期新人王戦決勝三番勝負で高田明浩五段を2連勝で下し、第53期以来2年ぶり2度目の優勝。開幕前の9月27日時点で年度の成績は18勝2敗、勝率9割だった。この年は「もぐら兄弟」で、将棋界初となるM-1グランプリに出場している(1回戦敗退)。
朝日杯で藤井聡太に勝利、ベスト4へ
第18回朝日杯将棋オープン戦本戦の名古屋公開対局(1月18・19日)で、1回戦で丸山忠久九段、2回戦で藤井聡太名人・竜王を119手で破りベスト4に進出した(準決勝で井田明宏五段に敗退)。この勝利で年度成績は33勝4敗、勝率.892となった。
B級1組昇級を決め七段に
第83期順位戦B級2組で9勝1敗としてB級1組への昇級を決め、2月5日付で七段に昇段した。竜王戦も4組から3組へ上がり、順位戦と竜王戦のどちらも3期連続の昇級となった。
年度勝率.843で将棋大賞・勝率一位賞
2024年度は2月5日時点で36勝4敗の勝率9割に達し、最終的に43勝8敗・勝率.843(当時歴代7位)で終えた。4月1日の第52回将棋大賞選考委員会で勝率一位賞に選ばれた。
新人王戦3度目の優勝、最多タイ記録
7期連続7回目で最後の出場となった第56期新人王戦。斎藤明日斗六段との決勝三番勝負を10月27日の第3局(東京・将棋会館)で制し、2勝1敗で2期連続3度目の優勝を果たした。優勝3回は森安秀光、森内俊之、藤井猛に並ぶ最多タイで、藤井猛の3度目(1999年)以来26年ぶり。
本人3回目の決勝三番勝負なので、そんなに緊張しないのかと思っていましたが、やはり結構緊張しました。最初に優勝したとき、タイトル戦に挑戦できるようになりたいと答えましたが、いまだに挑戦できていません。タイトル戦に挑戦できるようにがんばりたいです 出典
タイトル戦の舞台へ
令和8〜
棋聖戦挑戦者決定戦で羽生善治を破り、初のタイトル挑戦
ヒューリック杯第97期棋聖戦は二次予選から勝ち上がり、5月1日の挑戦者決定戦(東京・将棋会館)で羽生善治九段に後手番で勝ち、藤井聡太棋聖への挑戦権を獲得。プロ7年目で初めてタイトル戦に登場することが決まった。序盤から力戦模様で中盤はバランスを取れず粘る方針に切り替えた一局で、本人は「最後まで闘志を持って戦えたことが印象に残っていますね」と振り返る。
本人4年前の叡王戦は、挑戦者決定戦まで進んだのに負けてしまって。当時は悔しかったけれど割と楽観的で、またすぐチャンスは来ると思っていました。ただそこからは本戦にすら入れないこともあり、このままタイトル戦には出られないのかと良くない方向に考えてしまった時期もありました。今回挑戦者になり、ほっとしているというのはあります 出典
棋聖戦五番勝負、藤井聡太に3連敗
開幕前には「中盤のバランスを保ち、難しい局面のまま終盤に入ることを目標にしています」と語っていた。6月4日に千葉県木更津市で開幕した五番勝負は、第1局、第2局(6月19日、日光)とも藤井が制した。7月1日の第3局(沼津御用邸)は後手で右玉を採用したが87手で敗れ、3連敗でシリーズを終えた。藤井は棋聖戦7連覇で大山康晴十五世名人の記録に並んだ。
竜王戦挑戦者決定三番勝負を制し、竜王初挑戦
第39期竜王戦は2組ランキング戦で優勝し、決勝トーナメントで菅井竜也八段らを破って柵木幹太五段との挑戦者決定三番勝負へ。1組の棋士が1人も出ない挑決は第28期以来で、1組在籍経験のない2人による対戦は異例だった。第1局を落としたあと、8月12日の第2局を千日手指し直しの末に制してタイに戻し、24日の第3局は苦しい受けが続く展開から終盤で逆転して2勝1敗。同じ年度の棋聖戦に続く2度目のタイトル挑戦で、自身初の2日制対局に臨む。
本人絶対王者に食らいついていって、どっちが勝つかわからないような大熱戦にしたい 出典
現在(2026年): 竜王戦七番勝負で藤井聡太竜王に挑む
第39期竜王戦七番勝負は10月9、10日の第1局(東京・セルリアンタワー能楽堂)で開幕し、12月16・17日の第7局(山梨県甲府市・常磐ホテル)まで各地を巡って行われる。持ち時間各8時間の2日制で、先に4勝した側が竜王となる。順位戦はB級1組に在籍して2026年度を戦う。