目次
父と姉の将棋から、奨励会の門へ
平成7〜
大阪府大阪狭山市に生まれる
大阪府大阪狭山市に生まれる。父と3歳上の姉が将棋を指す家で育ち、姉の静佳はのちに囲碁の棋士になった。
伊藤博文七段の将棋教室に入る
5歳のとき、母に連れられて近所の道場へ通ったのが将棋との出会いだった。ルールを覚えてからは、家族と指すよりネット対局が練習の中心になる。10歳で、自宅から近い羽曳野市に伊藤博文七段が開いた将棋教室に入り、のちに伊藤門下となった。
本人将棋は、全ては自分の責任って思えるから気楽なんです 出典
関西研修会に入会、入会試験は8連勝
8月に第30回全国中学生選抜将棋選手権大会の女子の部で優勝。中学2年で力試しに受けた研修会の入会試験では8連勝し、11月に関西研修会へB1クラスで入った。もともと奨励会に入るつもりはなかったが、この結果で奨励会入りを意識したという。
中学2年で関西奨励会に入る
棋士養成機関の関西奨励会に6級で入会する。研修会での結果を受けて「やれるところまでやってみよう」と決め、母親も積極的に後押しした。女性だけが対象の女流棋士の制度もあったが、男女を問わない棋士を目指す奨励会1本で進んだ。
本人女流棋士にならずに、奨励会1本でプロを目指しているのは、男性と真剣に将棋を指してもらえる場所は奨励会しかないと思ったからです 出典
女性2人目の三段、そして女流三冠
平成26〜
女性2人目の奨励会初段に
関西将棋会館の例会で昇段規定の12勝4敗を満たし、18歳7か月で初段に上がった。現行制度で女性2人目、女性では最年少の昇段。同じ年に大阪学芸高校を卒業し、慶應義塾大学環境情報学部に進んで上京した。
二段に昇段し、初めてのタイトル戦へ
女性2人目、女性では最年少の19歳2か月で二段に上がる。同じ年の第4期女流王座戦五番勝負でタイトル戦に初めて出たが、加藤桃子女王に3連敗した。
女性2人目の三段に
大学は2年の9月から休学していた。20歳5か月で三段に昇段し、2016年度前期の第59回から、上位2人だけが四段になれる三段リーグを戦い始める。
三段リーグ最終局で藤井聡太に敗れる
初めて参加した第59回三段リーグで、最終局の相手は同じ期にリーグ入りした藤井聡太だった。藤井はこの一局に勝ち、1期でリーグを抜けてプロ入りを決める。西山は、他の人とは違う気迫を感じたと振り返っている。
本人ものすごい気迫を感じて、藤井先生が怖くて怖くてしょうがなかったです。 出典
奨励会三段のまま初タイトルの女王を獲得
第11期マイナビ女子オープン五番勝負で加藤桃子女王に挑み、第4局を150手で制して3勝1敗で女王を獲得した。女流棋士でない奨励会員の女流タイトル獲得は加藤に続き2人目。前年からはネット対局中心の練習を改め、棋士と盤を挟んで指し、感想戦で指摘を受けるようになっていた。女王はこの期から2024年まで7期続けて獲得している。
本人過去の自分の将棋を見ると弱いな~、と思えるくらい変わりました 出典
女流王座も奪い、出場できる3タイトルを独占
5月に女王を連覇し、11月1日には女流王将戦三番勝負で里見香奈を破って女流王将を獲得した。12月4日、女流王座戦五番勝負でも里見を3勝1敗で下して女流三冠に。奨励会三段の西山が出場できる女流棋戦は女王・女流王座・女流王将の3つだけで、そのすべてを手にした。
三段リーグ14勝4敗、順位の差で次点に
第66回三段リーグの最終日に連勝して14勝4敗としたが、谷合廣紀・服部慎一郎と同じ成績で並び、前期の順位の差で3位の次点となった。四段に上がれるのは上位2人で、女性初の棋士にはあと一歩届かない。昇段を逃したと知ると、涙が止まらなかったという。
本人また頑張ります 出典
棋聖戦で女性初の1次予選突破
第92期棋聖戦の1次予選決勝で北島忠雄に勝ち、棋戦で女性として初めて1次予選を抜けた。前期の次点で順位1位から臨んだ第67回三段リーグは、終盤の8連敗で7勝11敗に終わる。
年齢制限を前に退会、初代白玲に
令和3〜
奨励会を退会し、女流棋士に転向
「今期で決める」と周囲に宣言して臨んだ第68回三段リーグは、3月6日の最終局を終えて9勝9敗。満26歳の年齢制限を前に、退会を決めた。4月1日に女流棋士への転向を明らかにし、奨励会の規定により三段の段位のまま女流三段となった。
本人逆に吹っ切れた気持ちでした。 出典
初代白玲となり、自身最多の四冠に
6月に女王を4連覇。前年に創設された女流タイトル戦の最高峰、第1期白玲戦の七番勝負で渡部愛を4連勝で破り、初代白玲となった。4局とも渡部の居飛車に西山の振り飛車という対抗形だった。女王・女流王座・女流王将と合わせて自身最多の四冠になる。ただ、続く第11期女流王座戦では里見香奈に0勝3敗で敗れ、女流王座を失った。
女王5連覇で永世女王の資格を得る
第15期マイナビ女子オープンで里見香奈を3勝2敗で退けて女王を5連覇し、この棋戦で初めての永世称号「永世女王」の資格を得た。同じ日に女流四段に昇段。2022年度は第49期女流名人戦でも伊藤沙恵女流名人を破り、女流名人に就いた。一方、第2期白玲戦七番勝負では里見に3勝4敗で敗れ、白玲を失っている。
ja.wikipedia.org×2
白玲を奪還し、女流五段に昇段
第3期白玲戦七番勝負で里見香奈に挑み、4勝3敗で白玲を取り戻した。10月17日には女流王将を防衛し、女流棋士になってからのタイトル7期で女流五段に昇段。朝日杯将棋オープン戦では一次予選決勝で佐々木大地を破り、女流棋士としては初めて一次予選を突破した。
編入試験の2勝3敗とクイーン白玲
令和6〜
棋士編入試験の受験資格を得る
この年の第50期女流名人戦では、1月の結婚発表後に里見から改姓した福間香奈に1勝3敗で敗れ、女流名人を失っていた。7月4日、第18回朝日杯の一次予選で阿部光瑠に勝ち、棋士編入試験の受験資格を得る条件を満たす。女性では、2022年に受験して不合格となった福間に続く2人目で、すぐに受験の意思を示した。
白玲を防衛、不戦勝での決着は史上初
福間香奈を挑戦者に迎えた第4期白玲戦は、9月の第4局を西山の新型コロナウイルス感染で延期した。出産を控えた福間が体調不良で対局を辞退し、第5局・第6局と不戦勝が続いて、10月26日に4勝2敗で防衛が決まる。不戦勝で番勝負が決着したのは、棋士・女流棋士を通じて史上初めてだった。
棋士編入試験は2勝3敗で不合格
2024年9月から、新人棋士5人を試験官に1か月に1局ずつ指す試験に臨んだ。第1局で女性受験者として初めて勝ち、2連敗の後の第4局にも勝って2勝2敗。1月22日の第5局で柵木幹太四段に敗れ、不合格となった。会見では「落ち込んでいる間もなく女流タイトル戦を戦わせていただく」と前を向いた。
本人充実した期間だった 出典
体調不良で女流王位戦の挑戦を辞退
第36期女流王位戦の挑戦者になっていたが、4月23日、体調不良のため五番勝負への出場を辞退した。Xでは「医師の判断により、早急な手術および入院が必要となりました」と報告している。この年は第18期マイナビ女子オープンで福間に敗れ、7期続けた女王を失った。復帰後は女流王将と白玲を防衛した。
女王の奪還はならず
この年は第52期女流名人戦で福間香奈に3連勝し、女流名人を取り戻していた。前期に失った女王の奪還を目指した第19期マイナビ女子オープンは、5月29日の第5局で福間に敗れ、2勝3敗で及ばなかった。
清麗を初めて獲得し、女流四冠に
第8期清麗戦は予選トーナメントを全勝で抜け、挑戦者決定戦で磯谷祐維に勝って挑戦権を得た。五番勝負では福間香奈清麗を相手に、第4局を131手で制して3勝1敗。清麗は初めての獲得で、白玲・女流名人・女流王将と合わせて自身最多タイの女流四冠になる。
白玲通算5期、女性で初めて棋士の資格を得る
10月10日、金沢市での第6期白玲戦第5局で福間香奈を破り、4勝1敗で防衛した。白玲の通算5期目で永世称号のクイーン白玲にあたり、2025年の日本将棋連盟の通常総会で承認された規定により、女性で初めて棋士になる資格を得る。終局後は「すぐに答えを出せる状況ではない」と話すにとどめたが、26日の会見で権利を行使する意向を表明し、2027年4月1日付で四段となることが決まった。
本人いろいろ考えて、最後に残ったのは強い方(棋士)と戦いたい、上を目指したいという気持ちだった 出典
女流王将5連覇、女流四冠を保つ
10月21日、第48期女流王将戦で中七海を2勝1敗で破って5連覇。白玲・清麗・女流名人と合わせた女流四冠を保ち、タイトル獲得は通算24期となった。棋士になった後も女流棋戦には出続ける見込みで、「女流タイトル戦は最も張り合いのある研さんの場。求められる限り出場していく」と話している。