目次
野球少年と、先輩の一言
平成10〜
東京都に生まれる
東京都に生まれる。高校まで映画にはあまり触れなかったが、母と姉がドラマ好きだった影響で、坂元裕二が脚本を担当した作品などのドラマはよく観ていた。
野球を続けた高校時代、映画は『君の名は。』くらい
小学校から高校まで12年間野球を続け、映画漬けの日々ではなかった。当時の映画体験は、大ヒットしていた『君の名は。』を2回観に行ったくらいだったと振り返っている。
映画美学校の修了作品『愛をたむけるよ』がなら国際映画祭で上映
12年続けた野球が終わり「次は何をやるんだろう」という感覚のまま慶應義塾大学環境情報学部に進んだ。サークルを掛け持ちして過ごした最初の1年を、のちに「次にやりたいことを見つける前の停滞期」だったと振り返っている。その春休み、下宿に居候した先輩に「映画作ればええやん」と言われ、カメラを買って調べるうちに映画学校を知る。映画美学校に入って大学には行かなくなり、万田邦敏や脚本家の宇治田隆史に学んだ。修了作品の短編『愛をたむけるよ』は、幼くして母を亡くした兄弟の物語。2020年9月のなら国際映画祭の学生部門で上映され、TAMA NEW WAVEなどでも入選・受賞した。
ndjcの短編から初長編の撮影へ
令和3〜
ndjcの短編『遠くへいきたいわ』を撮影
文化庁の委託事業である若手映画作家育成プロジェクト(ndjc)で、参加15名のワークショップを経て製作実地研修に進む4監督の1人に選ばれた。制作会社シグロのもと、短編『遠くへいきたいわ』を11月22日にクランクインし、26日に撮り終えた。
短編『遠くへいきたいわ』が初公開
ndjcの2021年度の短編4作品の1本として、2月25日に初公開された30分ほどの短編。モデルの野内まるが初主演し、河井青葉が共演した。アルバイト先に面接に来た竹内(39)と紗良(21)が、互いに亡くした母と娘の面影を重ね合う。第36回高崎映画祭などに招待された。本人はこの短編を「『見はらし世代』の前身のような作品」と語り、撮った後に長編を撮ろうと考えて、本格的に脚本を書き始めた。長編は、短編を制作したシグロの山上徹二郎プロデューサーが「長編をやろう」と提案し、息子の山上賢治がプロデューサーを務めた。
本人そこで初めて、自分のお金ではない形で映画を作る経験をして、プロのスタッフと、これまで自主映画をやっていたメンバーが一緒になって、垣根を越えて作った。その経験は、僕の中ではすごく大きかったです。 出典
初長編『見はらし世代』を撮影
主演の黒崎煌代の話では、撮影は2024年の夏と2025年1月に行われた。黒崎はもともと監督の友人で、音響・音楽・スチールの担当も映画美学校の友人。編集は美学校の1期上の先輩が務め、先輩にとってもこれが初めての長編の編集だった。
カンヌ監督週間と渋谷での公開
令和7〜
初長編『見はらし世代』がカンヌの監督週間に選出
第78回カンヌ国際映画祭の監督週間に、オリジナル脚本の初長編『見はらし世代』が選ばれ、日本人史上最年少での出品となった。再開発が進む渋谷を舞台に、母の死と残された父と息子の関係を描く。主演は黒崎煌代で、遠藤憲一がランドスケープデザイナーの父、井川遥が母、木竜麻生が姉を演じた。4月15日の正式発表の2日前、プロデューサーからの電話に、最初はお蔵入りを覚悟したという。作品はその後、カンヌのほか世界12カ国の映画祭に招待された。
本人そうしたら「カンヌの監督週間に決まりました」と告げられて。喜びより先に驚きが勝ちましたね。 出典
カンヌの監督週間で上映
海外の映画祭に行ったこともないまま、カンヌの監督週間で初長編を披露した。前年に『ナミビアの砂漠』で参加した山中瑶子より若い、日本人として最年少での参加で、上映は温かい拍手に包まれた。すでに国際的なセールス会社が付き、フランスでの配給も決まった。
『見はらし世代』が全国公開
10月2日のジャパンプレミアを経て、10日にBunkamuraル・シネマ渋谷宮下、新宿武蔵野館などで全国公開された。劇場の近くにもロケ地が多い。プレミアでは「日本の人に見てもらうのを心待ちにしていたから緊張しています」と語り、公開記念舞台挨拶では父親役の遠藤憲一が、初対面の監督を「あまりに若くて、ウソだろうと思った」と振り返った。
本人自主映画をやっていた身としては、上映されること自体が奇跡的。素直にうれしいし、ホッとしています 出典
短編『遠くへいきたいわ』がユーロスペースで上映
公開中の『見はらし世代』と同じ東京・ユーロスペースで、11月22日から28日まで上映された。『見はらし世代』も同館で12月5日まで上映され、2作が並んだ。
新藤兼人賞の金賞を受賞
日本映画製作者協会に所属するプロデューサーが、長編実写3作目までの新人監督を表彰する賞で、2025年度は215作品が対象だった。12月5日の授賞式ではUDCast賞も贈られた。
本人誰と一緒に映画を作るか、プロデューサー、制作会社によって変わってくると強く実感した 出典
特集上映「カンヌ監督週間 in Tokio 2025」で上映
その年の監督週間の作品を日本で上映する特集上映が、12月12日から25日まで東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で開かれ、『見はらし世代』も上映作品に入った。
新人監督賞を重ねて
令和8〜
『イマジナリーライン』でスチールを担当
東京藝術大学大学院映像研究科の作品で、坂本憲翔が監督・脚本を務めた長編『イマジナリーライン』が1月17日に公開された。団塚はスチールとしてクレジットされている。
ヨコハマ映画祭の表彰式に出席、森田芳光メモリアル新人監督賞
第47回ヨコハマ映画祭で『見はらし世代』が森田芳光メモリアル新人監督賞に選ばれ、2月1日に横浜市内で開かれた表彰式に出席した。主演の黒崎煌代も同作などで最優秀新人賞を受けた。
日本映画プロフェッショナル大賞で新人監督賞
第35回日本映画プロフェッショナル大賞で新人監督賞に選ばれ、『見はらし世代』はベストテンの7位に入った。6月20日にテアトル新宿で開かれた授賞式では、選考委員の映画評論家・森直人が「『見はらし世代』は令和最初の『東京物語』だというくらい惚れ込んでいます」と評した。
本人またこのような場所に戻って来れるように、映画を作り続けていきたいと強く思っております 出典
現在:『見はらし世代』の脚本が年鑑代表シナリオ集に収録
2025年に封切られた日本映画から選んだシナリオを収める『'25年鑑代表シナリオ集』が7月25日に日本シナリオ作家協会から発売され、『見はらし世代』の脚本は『国宝』『8番出口』などとともに10作品の1本として収録された。