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いけいど じゅん

池井戸 潤

元銀行員として江戸川乱歩賞でデビューし、『下町ロケット』で直木賞を受けた小説家。『半沢直樹』シリーズをはじめ、多くの作品がドラマ化されてきた。

昭和38年生まれ ・ 岐阜県加茂郡出身 ・ 1963– ・ 満63歳

学歴岐阜県立加茂高校、慶應義塾大学文学部卒業後、法学部に学士入学(3年編入)し卒業 / 前職三菱銀行(1988〜1995年) / デビュー1998年『果つる底なき』(江戸川乱歩賞) / 別名義ツバキミチオ(脚本)

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近況
2026(令和8)満63歳

現在も四季ごとの新刊が続く

4社合同の企画は、秋に文藝春秋からの1冊が控えている。9月には『俺たちの箱根駅伝』が文春文庫に入った。

1963(昭和38) 岐阜県加茂郡に生まれる1987(昭和62) 大学生協で愛読書『ビザンチウムの夜』を買う1988(昭和63) 三菱銀行に入行銀行入行1995(平成7) 7年勤めた銀行を辞めて独立1998(平成10) 『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビュー乱歩賞デビュー2000(平成12) デビュー作『果つる底なき』がドラマ化2004(平成16) 『不祥事』『オレたちバブル入行組』を刊行、花咲舞と半沢直樹が生まれる2006(平成18) 『シャイロックの子供たち』で書き方を変える2006(平成18) 『空飛ぶタイヤ』刊行、初の直木賞候補に2008(平成20) 半沢直樹シリーズ第2作『オレたち花のバブル組』刊行2010(平成22) 『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞を受賞2011(平成23) 『下町ロケット』で第145回直木賞に決まる直木賞2013(平成25) TBS系日曜劇場『半沢直樹』放送開始半沢直樹2015(平成27) TBS系ドラマ『下町ロケット』放送開始2017(平成29) TBS系ドラマ『陸王』放送開始2018(平成30) 映画『空飛ぶタイヤ』公開2020(令和2) 『半沢直樹』7年ぶりの続編が放送開始2021(令和3) 『週刊文春』で『俺たちの箱根駅伝』の連載を始める2022(令和4) 『ハヤブサ消防団』刊行2023(令和5) 『ハヤブサ消防団』で柴田錬三郎賞に決まる2024(令和6) 日本アカデミー賞の授賞式で、脚本家「ツバキミチオ」の正体が明かされる2024(令和6) 『俺たちの箱根駅伝』上下巻を刊行箱根駅伝2026(令和8) 出版4社合同の「池井戸潤プロジェクト2026」が始動2026(令和8) ミュージカル『民王』が開幕2026(令和8) 日本テレビ系で『俺たちの箱根駅伝』の放送が始まる2026(令和8) 現在も四季ごとの新刊が続く昭和平成令和
誕生 1963現在
岐阜県立加茂高校から慶應義塾大学文学部に進み、卒業後に法学部へ学士入学。都市銀行で7年働いた後、32歳で新たな事業を始めるため独立。ビジネス書を書くうちに先行きへの不安を覚え、子どもの頃から受賞作を読んできた江戸川乱歩賞に挑んで、35歳でデビューを果たす。当初は銀行が舞台というだけで書店の「企業小説」の棚に置かれたが、組織ではなく「そこで生きている人たち」を書こうと小説観を改めた。2011年、『下町ロケット』で直木賞。選考委員は、企業ものを描き続ける姿勢も評価した。2013年のドラマ『半沢直樹』は最終回で視聴率42.2%を記録し、その後も多くの作品が日曜劇場などで映像化されている。

同世代1998年、同世代のYOUは、著書『産む女』を出版 →

作品『下町ロケット』は、ほか1人の年表にも出てくる →

つながり池井戸 潤のつながりを図で見る →

歩み

岐阜の寒村から慶應大、三菱銀行へ

昭和38〜

昭和
1963昭和386月16日
満0歳

岐阜県加茂郡に生まれる

標高500メートルほどの寒村で育ち、小中学校は33人のひとクラスだけだった。本好きの父の壁一面の本棚に囲まれ、江戸川乱歩賞の受賞作は毎年必ず買って読んでいた。

本人みんなが元気になれる小説が書けるといいなあ、とずっと思っていました。 出典

1987昭和62
満24歳

大学生協で愛読書『ビザンチウムの夜』を買う

岐阜県立加茂高校から慶應義塾大学に進み、推理小説同好会に入って翻訳ミステリの世界に触れる。大学生活の後半には自分でも小説を書き始め、学生のうちに一度だけ長編を江戸川乱歩賞に応募した。当時愛読していたアーウィン・ショー『ビザンチウムの夜』には、1987年6月8日に大学生協で買った際のレシートが今も挟まっている。

1988昭和63
満25歳

三菱銀行に入行

文学部では就職先が限られると言われ、卒業後に法学部3年に学士入学し、1988年に三菱銀行(当時)に入る。銀行の面接では「法学部に入り直してくれてよかった」と言われたという。同期には後に頭取となる半沢淳一がいた。入社後も、土日に50枚ほどの短編を書いて応募していた。

本人作家になれる確率は低いと思っていましたから。 出典

平成 1989
1995平成7
満32歳独立

7年勤めた銀行を辞めて独立

32歳で、新たにやってみたかったビジネスを始めるため、7年間勤めた銀行を辞める。顧客データベースを作る会社を一人で立ち上げ、融資の基礎知識をふまえたお金の借り方の原稿を版元に持ち込むと、それが最初の本になった。税理士・会計士向けソフトの監修なども手がけながら、2年間で10冊ほどのビジネス書を出した。

乱歩賞デビューと「企業小説」の棚

平成10〜

1998平成10
満35歳デビュー

— 『果つる底なき』で江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビュー

ビジネス書の仕事をこの先も続けられるか不安になり、夢だった江戸川乱歩賞を目指す。銀行強盗を描いた応募作は最終選考で落ちたが、講談社の編集者がつくことになった。翌年、銀行員時代の経験をもとに締切直前の3か月で一気に書いた『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し、作家デビュー。選評で「銀行ミステリの誕生」と評され、以後の作品にもそのレッテルが貼られるようになった。

本人あの時受賞していなかったら今頃何をしているか分かりませんね。 出典

2000平成122月11日
満36歳

デビュー作『果つる底なき』がドラマ化

フジテレビ系「金曜エンタテイメント」で、渡辺謙主演のドラマ『果つる底なき』が放送される。3月に刊行した『M1』は、吉川英治文学新人賞の候補になった。

2004平成1612月
満41歳

『不祥事』『オレたちバブル入行組』を刊行、花咲舞と半沢直樹が生まれる

銀行が舞台というだけで書店では「企業小説」の棚に置かれ、デビューから4、5年は試行錯誤が続いた。8月の『不祥事』と12月の『オレたちバブル入行組』は、エンタメ性を強く出し、漫画のように面白がってもらえる作品を目指したもの。花咲舞と半沢直樹という主人公が生まれ、半沢はシリーズ化を考えていなかったが、評判がよく書き継がれた。

2006平成181月
満42歳

『シャイロックの子供たち』で書き方を変える

組織を書くのではなく、そこで生きている人たちを書かなければ駄目だと気づき、それまでの小説観をすべて捨てて書いた連作。ある銀行の現金紛失事件を軸に、周辺の10人ほどの人生を語りながら事件との関わりを描く。

本人あの作品は、そういう意味で今の僕の原点です。 出典

2006平成189月
満43歳

『空飛ぶタイヤ』刊行、初の直木賞候補に

書くものの幅を広げ、銀行員以外の世界に踏み出そうと取り組んだ長編。小さなものが大きなものに立ち向かう対立の構図に、企業の矛盾と働く人々の葛藤を織り込む。第28回吉川英治文学新人賞の候補になり、自身初の候補となった第136回直木賞では「文学性に乏しい」という理由で落選した。

2008平成20
満44歳

半沢直樹シリーズ第2作『オレたち花のバブル組』刊行

6月に刊行した、『オレたちバブル入行組』に続くシリーズ第2作。第22回山本周五郎賞の候補になった。2013年のドラマ『半沢直樹』は、この2作を原作にしている。

2010平成22
満47歳

『鉄の骨』で吉川英治文学新人賞を受賞

前年10月に刊行した『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を受け、第142回直木賞の候補にもなった。同作は7月にNHKの土曜ドラマとして小池徹平主演で放送された。11月には『下町ロケット』を刊行している。

直木賞と『半沢直樹』

平成23〜

2011平成237月14日
満48歳受賞

『下町ロケット』で第145回直木賞に決まる

『下町ロケット』で第145回直木賞に決まる。ロケット開発に必要な部品の特許を持つ東京都大田区の町工場を舞台に、中小企業と大企業の駆け引きを描いた作品。選考委員の伊集院静は「読みものとして面白く読後感が爽快。『空飛ぶタイヤ』など、一貫して企業ものを描き続ける姿勢を変えない点も評価した」と述べた。本人は「泣いて笑って感動できる企業小説があること」を多くの人に知ってほしいと語った。

本人企業小説は文壇で評価されにくいと思っていたので、素直にうれしい。 出典

2013平成257月7日
満50歳ドラマ化

— TBS系日曜劇場『半沢直樹』放送開始

演出の福澤克雄は、2012年刊行の第3作『ロスジェネの逆襲』が面白いので第1作からドラマ化させてほしいと申し出た。堺雅人主演の『半沢直樹』は、平均視聴率28.7%、最終回42.2%を記録。「倍返し」はその年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれた。以後も、日曜劇場で池井戸作品のドラマ化が続いた。

2015平成2710月18日
満52歳

TBS系ドラマ『下町ロケット』放送開始

2011年のWOWOW版に続き、阿部寛主演で『下町ロケット』がドラマになる。原作は直木賞受賞作と、放送中の11月に刊行した『下町ロケット2 ガウディ計画』。12月20日の最終回は番組最高の22.3%で、全10回の平均は18.54%で、この年の民放連続ドラマで一番のヒットとなった。

2017平成2910月15日
満54歳

TBS系ドラマ『陸王』放送開始

前年7月に刊行した『陸王』が、役所広司主演でTBS系のドラマになる。同じ年には、5月に文庫オリジナルで出した『アキラとあきら』も、向井理・斎藤工の主演でWOWOWのドラマになった。

2018平成306月15日
満54歳

映画『空飛ぶタイヤ』公開

『空飛ぶタイヤ』が長瀬智也主演で映画になる。7月と9月には『下町ロケット ゴースト』『下町ロケット ヤタガラス』を刊行し、10月からは両作を原作とする『下町ロケット』の続編ドラマが、阿部寛主演で放送された。

『俺たちの箱根駅伝』を書き上げる

令和2〜

令和 2019
2020令和27月19日
満57歳

『半沢直樹』7年ぶりの続編が放送開始

『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』を原作に、7年ぶりの続編ドラマが始まる。本人は、前作の結果を思えば続編はないものと考えていたという。9月には『オレたちバブル入行組』の前日譚『アルルカンと道化師』を刊行した。11月には、ベストセラーがドラマ化されて高視聴率を得て書店がにぎわうサイクルを生んだとして、第2回野間出版文化賞に選ばれた。

本人前作で視聴率的には大きな結果を出したわけで、次をわざわざ作って、その栄光を汚すこともないのかなと思っていたんです。 出典

2021令和311月
満58歳

『週刊文春』で『俺たちの箱根駅伝』の連載を始める

編集者から聞いた、中継ポイントで「小涌園前」だけ旅館の実名が出てくる理由の逸話が出発点。実在の大学を舞台にしてよいかという問題で、構想は6、7年行き詰まっていた。

2022令和49月
満59歳

『ハヤブサ消防団』刊行

岐阜の実家がある集落では、神社の鳥居の前の家が半世紀で4、5軒も燃えたと父から聞いていた。そうした故郷の話を下敷きに、田舎町の連続放火事件を描いた、池井戸作品初の“田園”小説。「小説すばる」に2021年6月号から翌年5月号まで連載した。

本人本書は私にとって、空想の衣を纏った記録小説なのだ。 出典

2023令和510月
満60歳受賞

『ハヤブサ消防団』で柴田錬三郎賞に決まる

7月からテレビ朝日系で中村倫也主演のドラマ『ハヤブサ消防団』が放送され、10月に同作で第36回柴田錬三郎賞に決まる。受賞に寄せた文章では、ドラマの好視聴率もあって故郷の町役場で「ハヤブサプロジェクト」という町おこしが立ち上がったと記し、続編を書いておくべきかもしれないと結んだ。

2024令和63月8日
満60歳

日本アカデミー賞の授賞式で、脚本家「ツバキミチオ」の正体が明かされる

2023年2月公開の映画『シャイロックの子供たち』の脚本を「ツバキミチオ」の変名で手がけ、第47回日本アカデミー賞の優秀脚本賞に選ばれていた。3月8日の授賞式で、主演の阿部サダヲがツバキミチオは池井戸だと明かし、本人は「内緒なんですよ、それ」と応じた。

2024令和64月24日
満60歳代表作

『俺たちの箱根駅伝』上下巻を刊行

前年のゴールデンウィーク明けに連載を終え、自身初の単行本上下巻で刊行する。箱根駅伝に挑む架空の大学の陸上競技部と、生中継を担うテレビ局の舞台裏を描く。本人は「もう二度と、こんな小説は書けないでしょう」と振り返った。2025年10月には、関東学生陸上競技連盟の全面協力を得て日本テレビ系で連続ドラマになることが発表された。

本人7区から先は、真剣勝負で小説と向き合う展開で、こんなに気力と体力を使った小説ははじめてかもしれません。 出典

四季ごとの新刊、2026年

令和8〜

2026令和84月1日
満62歳

出版4社合同の「池井戸潤プロジェクト2026」が始動

講談社・集英社・ダイヤモンド社・文藝春秋の4社が合同で企画を立ち上げ、四季に1冊ずつ新刊を届けることになる。春は会社売買を描く『ブティック』(5月13日刊、『俺たちの箱根駅伝』以来2年ぶりの長編)、夏は『ハヤブサ消防団 森へつづく道』(8月5日刊、集英社創業100周年記念作品の1作目)。冬には初のエッセイ集『劇場で会いましょう』が予定されている。

2026令和89月6日
満63歳

ミュージカル『民王』が開幕

2010年刊行の『民王』がミュージカルになり、東京・シアタークリエで開幕する。池井戸作品の舞台化はこれが初めて。脚本は映画『シャイロックの子供たち』と同じツバキミチオ、音楽は角野隼斗で、10月にかけて東京・大阪・福岡で上演される。

2026令和810月10日
満63歳

日本テレビ系で『俺たちの箱根駅伝』の放送が始まる

大泉洋が生中継を担うテレビ局のチーフプロデューサー・徳重亮を、山下智久が明誠学院大学陸上競技部の監督・甲斐真人を演じる。学生ランナーらを演じる18人は、関東学生陸上競技連盟副会長の大後栄治の指導のもと、数か月にわたるトレーニングや合宿を重ねた。

2026令和8
満63歳近況

現在も四季ごとの新刊が続く

4社合同の企画は、秋に文藝春秋からの1冊が控えている。9月には『俺たちの箱根駅伝』が文春文庫に入った。

主な著作

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