喫茶店の子から映画の現場へ
昭和43〜
東京都豊島区に生まれる
母が経営する喫茶店の常連客に遊んでもらうような子どもだった。同居していた叔父が熱心なビートルズファンで、その影響で洋楽を聴くようになり、中学生のとき御茶ノ水の楽器街でアコースティックギターを買った。
連続ドラマ『早春物語』で俳優デビュー
高校卒業後に実家を出て役者を志し、映画の助監督の家に居候しながら撮影現場へ通った。初出演作はTBSの連続ドラマ『早春物語』(5月23日〜)。
— 映画『湘南爆走族』で初主演
東映映画『湘南爆走族』で主人公・江口洋助役に抜擢される。江口は本名で、原作漫画の役名と読みが同じなのは偶然だった。湘南の暴走族「湘南爆走族」の2代目リーダーで手芸部部長という役柄を、紫のリーゼントで演じている。前年にデビューはしていたが、メインかつ主演はこの作品が初めてで、ほぼデビュー作と位置づけられている。オーディションでデビューした織田裕二との初共演作でもあり、この抜擢以降、俳優として名を知られていく。
シングル「ガラスのバレイ」で歌手デビュー
俳優デビューの翌年、フォーライフ・レコードからシングル「ガラスのバレイ」(2月21日発売)で歌手デビュー。最初のアルバムは作家の曲を歌う企画的な作品だったが、周囲からは役者なのだから作家に頼んだ方がいいと言われながら自作にこだわり、以後ほとんどの曲を自ら作詞作曲する。同年1月からは刑事ドラマ『NEWジャングル』の実質主役に抜擢され、翌1989年には大河ドラマ『春日局』で徳川家光を演じた。
本人あの頃は、いただける仕事に全力で向き合うことで精いっぱいでした。『自分は役者なのか、歌手なのか』とか、深くは考えてなかったです。どんな仕事もいただけること自体うれしかったですし、やってみるとどれも新鮮で面白かった。 出典
トレンディドラマの先駆け
平成3〜
— 『東京ラブストーリー』三上健一役で知名度が一気に上がる
フジテレビ月9『東京ラブストーリー』(1月7日〜3月18日)で、主人公カンチの幼なじみ・三上健一を演じる。平均視聴率22.9%、最終回32.3%を記録したトレンディドラマの先駆けで、『湘南爆走族』以来の共演となった織田裕二とともに多くの女性ファンを獲得し、人気と知名度が一気に上がった。同年7月からは『101回目のプロポーズ』で星野純平役を務め、準主役として続けて起用される。
『愛という名のもとに』出演、「恋をした夜は」がヒット
1月からのフジテレビ『愛という名のもとに』で神野時男役。『東京ラブストーリー』の演技で第1回TV-LIFE年間ドラマ大賞の助演男優賞を受けた。10月21日発売のシングル「恋をした夜は」はオリコン17位。缶コーヒーのCMソングにもなり、本人は他人の家のテレビから自分の曲が流れる初めての経験を「何とも言えない気分」と振り返っている。12月公開の映画『七人のおたく』ではこの曲がイメージソングに使われた。
— 『ひとつ屋根の下』で連続ドラマ初主演、最高視聴率37.8%
フジテレビ『ひとつ屋根の下』(4月12日〜6月28日)で初めて連続ドラマの主役に選ばれる。アキレス腱の故障で引退した元マラソン選手・柏木達也が、両親の事故で生き別れた兄弟を訪ね歩く物語で、主人公の台詞「そこに愛はあるのかい?」は流行語になった。第11話(6月21日)の視聴率37.8%は1990年代の民放ドラマで最高であり、2025年現在もフジテレビドラマの歴代最高記録として残る。共演した福山雅治とはこの作品をきっかけに親友になった。翌1994年2月発売の「愛は愛で」はオリコン8位を記録している。
『ひとつ屋根の下2』
続編『ひとつ屋根の下2』(4月14日〜6月30日)で再び柏木達也を演じる。平均視聴率27.0%、最終話は30%を超えた一方、その結末には賛否の声も上がった。前年9月には岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』でリョウ・リャンキを演じている。
救命医・進藤一生と社会派へ
平成11〜
— 『救命病棟24時』第1シリーズで進藤一生役、主演男優賞
フジテレビ『救命病棟24時』第1シリーズ(1月5日〜3月23日)で救命医・進藤一生を演じ、第20回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演男優賞を受けた。前年2月にスノーボードで足を骨折し、4月開始予定だったドラマを降板した後の主演作だった。以後この役は第2・第3シリーズでも主演男優賞をもたらし、シリーズは連続ドラマとスペシャルをそれぞれ5本重ねる長寿医療ドラマとなる。『ひとつ屋根の下』のあんちゃん役から医療ドラマへ。本人が後年「チャレンジだった」と語っている。
森高千里と結婚、音楽活動を休止
6月3日、歌手の森高千里と結婚。1995年の阪神・淡路大震災支援イベントで、泉谷しげるのバンドに森高がドラム、江口がベースで参加したことが会話のきっかけだった。2000年2月に長女、2002年5月に長男が生まれる。同じ年、シンガーソングライターとしての活動を休止。連続ドラマや映画とツアーを並行する生活の中で、30歳を過ぎて俳優としての形を作りたいと考えたことが理由で、この後およそ20年、表立った音楽活動から離れる。
本人先輩方の演技を見ていると、『俺って薄っぺらいな』って思ったんですよ。やっぱり、『役者で飯を食っていかないとダメだ』という自覚が芽生えた時期でした。ちょうどレコード会社と契約も切れるタイミングでしたし、結婚もあったし。そういうのが重なって歌う余裕がなくなりました 出典
『救命病棟24時』第2シリーズ、2度目の主演男優賞
第2シリーズ(7月3日〜9月18日)で第30回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演男優賞。翌2002年は7月から『ランチの女王』、10月公開の映画『凶気の桜』で“消し屋”三郎を演じた。
『白い巨塔』で里見脩二を演じる
フジテレビ『白い巨塔』(10月9日〜翌3月18日)で里見脩二役。翌2004年1月からは大河ドラマ『新選組!』で坂本龍馬、7月からは日曜劇場『逃亡者 RUNAWAY』に出演した。
『救命病棟24時』第3シリーズで3度目の主演男優賞、初舞台
第3シリーズ(1月11日〜3月22日)で第44回ザテレビジョンドラマアカデミー賞主演男優賞。同じ役で3度目の受賞となった。11月には三谷幸喜から出演打診を受けた『12人の優しい日本人』で初めて舞台に立つ。「稽古には浴衣を着るのですか」など初舞台ならではの質問を三谷が新聞連載に書いている。この年はフジテレビの新潟県中越地震ドキュメンタリーでナビゲーターも務めた。
映画『闇の子供たち』、社会派作品を選ぶように
8月2日公開の『闇の子供たち』で、子どもの人身売買を追う新聞記者・南部浩行役。本人によれば、社会派作品を選ぶようになったのはこの作品からで、大ヒットした『ひとつ屋根の下』のイメージ定着に悩んだ時期を経て、年齢を重ねるに従い“あえて”そうした作品を選んできたという。前年には映画『アンフェア the movie』で斉木陣も演じている。
映画『GOEMON』で石川五右衛門、バイク事故で重傷
5月1日公開の『GOEMON』で石川五右衛門を演じる。6月10日、渋谷区のガソリンスタンドで自身の大型バイクで転倒し、肋骨や鎖骨の複雑骨折で全治2か月の重傷を負った。8月11日からは『救命病棟24時』第4シリーズが放送された。
『ガイアの夜明け』2代目案内人に
テレビ東京の経済ドキュメンタリー『日経スペシャル ガイアの夜明け』で、初代の役所広司に続く2代目案内人に就任。以後2019年12月まで務めた。同年5月公開の映画『パーマネント野ばら』に出演し、2012年3月からはNHK『世界びっくり旅行社』で児玉清の後継として2代目司会も担当した。
大河ドラマ『軍師官兵衛』で織田信長
『春日局』『新選組!』に続く大河ドラマ出演で、織田信長を演じる。2012年8月公開の『るろうに剣心』から続けて斎藤一を演じた続編『京都大火編』(8月1日)『伝説の最期編』(9月13日)も同年に公開され、4月からはTBS『ルーズヴェルト・ゲーム』にも出演した。
二足のわらじ、ふたたび
平成28〜
— 下北沢で約20年ぶりのライブ、音楽活動を再開
5月27日、東京・下北沢のライブハウスで約20年ぶりのライブを行い、音楽活動を再開する。会場は自分で押さえに行き、昔のスタッフに手伝ってもらって楽器も自分たちで搬入する手作りの出発だった。前年9月には堤幸彦監督の映画『天空の蜂』で主演、この年1月公開の『人生の約束』ではそれまでのイメージを一新する角刈りに挑んでおり、社会派作品を選ぶ時期を経て「今なら」音楽もやれると判断しての再開だった。以後、都内のライブハウスで地道に公演を重ね、俳優と音楽の両輪が再び回り始める。
本人明らかに芝居の空気感とは違うものでした。二足のわらじに限界を感じた20年前とは違い、歌うことで演技にプラスになり、演技をすることで歌にもプラスになると思いました。『これからはできるときにやろう』。やっとそんな気持ちになれましたね 出典
『BG〜身辺警護人〜』『孤狼の血』『BLEACH』
1月からテレビ朝日『BG〜身辺警護人〜』、4月にはフジテレビ『コンフィデンスマンJP』第1話で赤星栄介役。映画では5月公開の『孤狼の血』で一ノ瀬守孝、7月公開の『BLEACH 死神代行篇』で黒崎一心を演じた。
『ガイアの夜明け』案内人を退任
2010年1月から務めた『ガイアの夜明け』の案内人を12月で退任し、2020年1月7日のリニューアルから3代目の松下奈緒に引き継いだ。この年は5月公開の『コンフィデンスマンJP -ロマンス編-』に続いて赤星栄介を演じ、8月公開の『ライオン・キング』ではスカーの吹き替えも担当した。
『ネメシス』で助演男優賞
日本テレビ『ネメシス』(4月11日〜6月13日)の栗田一秋役で、第25回日刊スポーツ・ドラマグランプリ春ドラマの助演男優賞を受けた。映画では『るろうに剣心 最終章 The Final』(4月23日)『The Beginning』(6月4日)でシリーズを通して演じた斎藤一役を締めくくり、8月には『孤狼の血 LEVEL2』が公開された。
音楽活動35周年、88曲をサブスク解禁
音楽活動35周年を迎え、自ら作詞作曲した「恋をした夜は」「愛は愛で」など88曲を配信解禁。5月24日に渋谷Spotify O-WEST、6月21日にビルボードライブ東京で『BE HERE NOW ~ 35th Anniversary ~』を開催した。5月11日にInstagram、11月21日にYouTubeチャンネルを開設。俳優としては9月公開の映画『沈黙の艦隊』で海原渉、10月公開の岩井俊二監督『キリエのうた』に出演した。
26年ぶりのアルバム『RIDE ON!』
10月23日、26年ぶりのアルバム『RIDE ON!』をリリース。収録曲は全て自身の作詞作曲で、初回限定盤には初のライブDVDが付いた。同年2月には配信ドラマ『沈黙の艦隊 シーズン1』(Prime Video、2月9日〜)とNetflix『忍びの家 House of Ninjas』(2月15日〜)が相次いで配信され、5月には映画『からかい上手の高木さん』に出演している。
本人一回手放したからこそ、絶対手放せないぞっていう様な勢いで、このアルバムを作りましたし、音楽が自分に与えてくれて、俳優業も含めて今があると思っているんで、その(歌手としての)スタートがなかったらここには居ないと思うんでね。 出典
WOWOW『誰かがこの町で』で主演
連続ドラマW『誰かがこの町で』(12月8日〜29日、全4話)で主演。新興住宅地で住民たちの同調圧力が引き起こす恐怖を描く社会派ミステリーで、娘を亡くした法律事務所の調査員・真崎雄一を演じ、蒔田彩珠と共演した。
『誘拐の日』、劇場版『TOKYO MER』、『沈黙の艦隊 北極海大海戦』
斎藤工主演のテレビ朝日『誘拐の日』(7月8日〜)で、新庄を追う所轄のベテラン刑事・須之内司役。8月1日公開の『劇場版TOKYO MER〜走る緊急救命室〜南海ミッション』では鈴木亮平と初共演し、医師・牧志秀実を演じた。8月16・17日にはNHK『シミュレーション 〜昭和16年夏の敗戦〜』に出演、9月26日には『沈黙の艦隊 北極海大海戦』が公開された。
本人『白い巨塔』にしても『救命病棟24時』シリーズにしても、俺たちがやってきた医療ドラマは患者側の物語がメインだったんだよね。でも、事件や災害が頻発する時代には、その場で手術し救命するドクターがいたらいちばんいい。非常に「今」らしい作品だと思ったなぁ。 出典
『タツキ先生は甘すぎる!』、映画『開戦前夜』
町田啓太主演の日本テレビ『タツキ先生は甘すぎる!』(4月11日〜6月13日)で三雲英治役。7月31日公開の映画『開戦前夜』(石井裕也監督)は、前年NHKで放送された『シミュレーション 〜昭和16年夏の敗戦〜』のドラマパートを完全版として上映した作品である。
— 『救命病棟24時』第6シリーズ、13年ぶりに月9で復活
フジテレビ月9で『救命病棟24時』第6シリーズが10月12日放送開始。松嶋菜々子とのダブル主演で、2人が組むのは2010年のスペシャルドラマ以来16年ぶり、シリーズとしては13年ぶりの復活となる。俳優デビュー40周年の節目に、1999年から演じてきた救命医・進藤一生へ戻る。シリーズ誕生27年の今作は「変わりゆく時代の中で失ってはいけないもの」をテーマに、命の選択や働き方改革、世代間の違いを描く。
本人前回の出演から長い時間がたっていますし、新しい作品をやるような思いでいます。スタッフもキャストも変わりますし、2026年版の新しい『救命病棟24時』になるのではと、すごく楽しみにしています 出典
俳優デビュー40周年、俳優と音楽の両輪で活動を続ける
俳優デビュー40周年。趣味はギター、珈琲、サーフィン。2027年夏にはPrime Videoで『沈黙の艦隊 シーズン3 〜目覚めよ、ニューヨーク〜』の配信が予定されている。