目次
洋画のDVDと、偶然のオーディション
平成14〜
兵庫県三田市に生まれる
父親は米国で映像関係の仕事をしていた時期があり、自宅には洋画のDVDや映画の本があふれていた。初めて観た映画は『スター・ウォーズ』。小学生の頃から、好きな作品の俳優の表情やせりふを鏡の前で真似る遊びを、親にも隠して続けた。
レプロの「主役オーディション」に合格
北摂三田高校の文化祭では、クラスメートら十数人を巻き込んで20分ほどのサスペンスドラマを撮り、発表会で最優秀賞を受けた。「映画に関わって生きていきたい」と決め、大学は法学部へ。上京すると授業はオール・リモートで、インスタグラムで見つけたレプロエンタテインメントのオーディションにその場で応募した。作り手志望だったが「演者の思いも知りたい」と考えたという。俳優への憧れはもともとあったものの「それまでなれるとは思っていませんでした」と振り返り、無料で受けられる演技のワークショップも魅力で「最初はむしろワークショップ目当てでした」と話す。約5000人の中から合格し、5月に事務所での演技の勉強が始まると、並行して映画やドラマのオーディションを受け始めた。
朝ドラの六郎と、映画の新人賞
令和5〜
『ブギウギ』のヒロインの弟役に決まる
2023年度後期の連続テレビ小説『ブギウギ』の第2弾キャストとして、ヒロインの3歳年下の弟・花田六郎役での出演が発表された。オーディションでつかんだ初の朝ドラで、「身の引き締まり方が極限に達しそうです」とコメントした。
連続テレビ小説『ブギウギ』で俳優デビュー
10月13日の放送から、拾ってきた亀をいつも連れているマイペースな弟・六郎として登場した。「バカだと思って演じるのは違う」と考え、「六郎はただピュアなんだと考えるようにした」といい、亀好きに合わせて首が前に出た姿勢も意識した。出演が決まってからは『舞いあがれ!』や『らんまん』を見て朝ドラを研究し、最初の現場入りは「死ぬほど緊張した」という。第10週で六郎の戦死の知らせが届き、六郎はステージで泣き崩れたヒロインのスズ子の前に幻となって現れた。視聴者からは「デビュー作とは思えない」「すごい俳優が現れた」と声が相次ぎ、2025年に初主演映画のカンヌ出品を伝えた記事でも、『ブギウギ』の六郎役で注目された俳優として紹介されている。
本人褒められてしかいないので不安にもなりました。こういう時だからこそ、地に足をしっかりつけて頑張らなきゃいけないなと思っています。 出典
映画『さよなら ほやマン』で映画デビュー
事務所に入って初めて受けた映画のオーディションで、主人公の弟で生まれつき障害のある青年・阿部シゲル役を得た。「障害がある人っぽく演じるのだけは絶対にやめよう。なぜそういう動きになるのかを追求しよう」と心に決めて臨んだ役で、前年10月の現場入り前には、東田直樹の『自閉症の僕が跳びはねる理由』や映画『ギルバート・グレイプ』でイメージを膨らませた。
日本映画批評家大賞で新人男優賞に選ばれる
『さよなら ほやマン』の演技で、第33回日本映画批評家大賞の新人男優賞(南俊子賞)に選ばれた。同作で主演したMOROHAのアフロも同じ賞を受けている。この作品では、シネマ夢倶楽部の推薦委員特別賞も受賞した。
ゆうパックのCMで井上咲楽と姉弟役
日本郵政のゆうパックのCMで、井上咲楽と姉弟を演じる。ゆうパックを賢く選ぶ姉と、その理由が気になる弟という設定。8月からは関西電力のCMにも出演し、12月7日からのゆうパックの第2弾でも続けて起用された。
初主演作を携えてカンヌへ
令和7〜
『東京サラダボウル』『地震のあとで』に出演
『東京サラダボウル』の第5話に早川進役で出演。4月12日には、村上春樹の小説をもとにしたNHK土曜ドラマ『地震のあとで』の第2話『アイロンのある風景』で啓介を演じた。
初主演映画『見はらし世代』がカンヌ監督週間に出品決定
団塚唯我監督の長編デビュー作『見はらし世代』で主人公・蓮を演じ、映画に初主演した。撮影は1月。第78回カンヌ国際映画祭の監督週間への出品が発表され、団塚監督は日本人最年少での出品となった。団塚監督は『さよなら ほやマン』にメイキング担当として参加しており、キャリアの始まりに立ち会った監督と組んでの初主演だった。
本人私のキャリアを最初から近くで観ていてくれた団塚監督だからこそ100%の信頼をもって撮影に臨むことができました。映画を好きで本当に良かったです 出典
映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』公開
ジャルジャルの福徳秀介の恋愛小説を映画化した作品で、主人公・小西の唯一の友人・山根を演じた。山根は「山根弁」という独自の方言を話す男で、その発音は監督と相談して決めていった。
カンヌで『見はらし世代』が公式上映
現地時間16日、監督週間での公式上映に団塚監督と登壇した。父を遠藤憲一、母を井川遥、姉を木竜麻生が演じる家族の物語で、800人以上が集まったワールドプレミアだった。舞台あいさつではフランス語のあいさつに続けて「まだこの映画を観ていないんです」と明かし、観客の真ん中で完成した作品を初めて観た。上映後には約7分間のスタンディングオベーションが送られた。作品はこの後、上海国際映画祭などでも評価されている。
本人本当に感動しました。これから初めて観る観客の皆さんの真ん中で、一緒に完成した映画を初めて観ました。 出典
『見はらし世代』公開、同じ月に出演映画3本
『見はらし世代』が劇場公開された。渋谷で胡蝶蘭の配送運転手として働く蓮が、母の死をきっかけに疎遠になっていた父と再会する物語。役は作り込まず「自分をあまり変えず、いじくらなかった」と振り返る。同じ月には3日に『地震のあとで』の再編集映画『アフター・ザ・クエイク』(啓介役)、17日に『ストロベリームーン 余命半年の恋』(福山凛太郎役)も公開された。
本人自分のかかわった作品を多くの人に届けられる俳優になりたいと思っています。息の長い俳優になるのはもちろん、作品を届けるためには、私自身の知名度も上げていかないといけません。 出典
初舞台『雨の傍聴席、おんなは裸足…』
宮藤官九郎が作・演出する大パルコ人シリーズ第5弾の法廷ロックオペラで、初めて舞台に立った。役は小沼漠鹿と劇中のADクロサキ。東京・PARCO劇場で30日まで上演し、12月には大阪と仙台でも上演した。
ヨコハマ映画祭で最優秀新人賞
『見はらし世代』と『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』の演技で、第47回ヨコハマ映画祭の最優秀新人賞に選ばれた。同じ月の19日には、西島秀俊主演のPrime Videoドラマ『人間標本』の配信が始まり、石岡翔役で出演している。
民放の月9、2度目のカンヌ、連ドラ主演
令和8〜
『万事快調〈オール・グリーンズ〉』公開、キネマ旬報新人男優賞
映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』で、ラッパーを夢見る秀美(南沙良)のサイファー仲間で、彼女に想いを寄せる青年・ジャッキーを演じた。劇中のラップは、荘子itをはじめとする人たちの指導を受けて撮影した。同月29日には『見はらし世代』ほかで第99回キネマ旬報ベスト・テンの新人男優賞が発表され、続いておおさかシネマフェスティバル2026の新人男優賞も受けた。
Netflix『九条の大罪』配信、映画『脛擦りの森』公開
柳楽優弥・松村北斗が出演するNetflixシリーズ『九条の大罪』に、曽我部聡太役で出演した。10日には、高橋一生と渡辺一貴が組んだ映画『脛擦りの森』も公開され、若い男を演じている。
月9『サバ缶、宇宙へ行く』で民放ドラマ初出演
北村匠海主演のフジテレビ系月9ドラマで、寡黙で芯のある高校生・寺尾創亮を演じ、民放ドラマに初めて出演した。漁業が盛んな小浜で育ち、卒業後は父親の跡を継いで漁師になると決めている役どころ。脚本は徳永友一。台本を読んだ感想を「どこで暮らしていても強い想いは伝播し、無限に広がっていく。物語からはそんな壮大さが伝わり、まさに宇宙を感じました」と語っている。
本人本当に“先生”という印象です。ちょっとした悩みや相談にも快く乗ってくださるので、北村さんがいるシーンでは、安心感と穏やかな緊張感があり、とても居心地が良いです。 出典
『急に具合が悪くなる』で2年続けてカンヌへ
濱口竜介監督が、哲学者・宮野真生子と人類学者・磯野真穂の往復書簡をもとに撮った作品で、窪寺智樹を演じた。第79回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門でワールドプレミア上映され、『見はらし世代』に続く2年連続のカンヌ参加で、初めてメイン会場リュミエールのレッドカーペットに立った。上映後は14分に及ぶスタンディングオベーションが続いた。日本公開は6月19日。
本人智樹は、内部と外部を行き来する、どこにも属さない唯一のキャラクターだったので、ひたすら自分の感じるままに演技していました。 出典
現在:『赤灯えれじい』で連続ドラマ初主演
きらたかしのマンガを、連載終了から約20年を経て実写化したテレビ東京系ドラマ。実家暮らしで無職のヘタレ男・柳川智史(サトシ)を演じ、鳴海唯とのダブル主演で、2人とも連続ドラマ初主演となる。プロデューサーから役の話を受けたのは2年前で、原作を「人生の一本と言える作品」と語る。ほぼ全編を大阪で撮影し、10月8日から毎週木曜深夜に放送、Disney+での独占配信も決まった。
本人原作『赤灯えれじい』が心の底から大好きで、人生の一本と言える作品です。 出典