モデルから俳優へ
昭和56〜
東京都港区に生まれる
のちに俳優・映画監督として、また被災地へ映画を届ける活動でも知られていく。
高校時代、「TAKUMI」名義でモデルデビュー
『MEN'S NON-NO』『POPEYE』などの誌面やショーで活躍し、パリ・コレクションのランウェイにも立った。芸能の世界への入口はモデルだった。
沢木耕太郎『深夜特急』に影響され、独り海外へ
旅費を稼ぐためにモデル事務所の門を叩いたのが活動のきっかけだったという。高校時代から代々木上原の伊藤正次演劇研究所に通い、演技の基礎を学んだ。
本人海外を独りで歩く感覚が、その後の表現の土台になった。
映画『時の香り〜リメンバー・ミー』で俳優デビュー
韓国映画の日本リメイク版でプロデューサーにスカウトされ、俳優としての一歩を踏み出す。映画学校進学を考えていたが、父の「映画は机の上で学ぶものじゃない、一刻も早く現場に出ろ」という言葉が背中を押した。
モデルと並行し、映画・Vシネマに数多く出演
この時期から出演作を精力的に重ね、のちに「32歳で映画出演48本」と語られるほど現場数を積み上げていった。
演劇ユニット「乱-Run-」を結成
大竹浩一・波岡一喜・福士誠治とともに立ち上げ、舞台表現にも活動の幅を広げた。
監督業とブレイク
平成21〜
『最上の命医』などで連続ドラマの主演・主演級に
前年の『クロヒョウ 龍が如く新章』での主演に続き、連続ドラマの主演・主演級を担い、俳優として存在感を高めていく。
ショートムービー『サクライロ』で監督デビュー
映画監督(フィルムメーカー)としての活動を開始。「演じる」側から「撮る」側へも足場を広げ、以後の二刀流の出発点となった。のちに監督名義を本名の齊藤工とし、2014年の『半分ノ世界』からこの表記を用いている。
— 『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』で一躍注目を集める
フジテレビの連続ドラマで上戸彩演じる主婦の相手・北野裕一郎を好演。社会現象的な話題作となり、この一作で名が一気に全国区へと広がった。同年には第39回エランドール賞 新人賞も受賞している。
世間「昼顔の斎藤工」として、俳優としての知名度が跳ね上がった。
移動映画館「cinéma bird」を発案し、宮城・石巻で初開催
東日本大震災を機に「被災地にこそエンターテインメントが要る」と考え、体育館や寺を一日限りの映画館に変えて劇場体験を届ける活動を自ら立ち上げた。俳優活動と並ぶ、その後長く続くライフワークの原点となった。
本人「点」ではなく「線」になってこそ意味がある、と続けることにこだわった。
演技派・映画作家として
平成28〜
映画『団地』などで助演俳優として高い評価
翌年の第31回高崎映画祭 最優秀助演男優賞につながる演技を見せ、作品を支える実力派としての評価を確かにした。
映画『昼顔』が公開され大ヒット
ドラマの続編にあたる劇場版で、テレビからの熱を映画館へと引き継ぐ話題作に。第20回上海国際映画祭で日本映画週間ゴールドクレイン賞を受けた。
初の監督長編映画『blank13』が公開
リリー・フランキー、高橋一生らを迎えた家族の物語で長編監督デビュー。ウラジオストク国際映画祭など海外の映画祭でも評価され、俳優にとどまらない“映画作家”としての立ち位置を確立した転機となった。
シン・ウルトラマンと国民的認知
令和4〜
— 映画『シン・ウルトラマン』で主演・神永新二を演じる
庵野秀明企画・脚本、樋口真嗣監督の話題作でウルトラマンと一体化する主人公を主演。世代を超えた国民的ヒーローそのものを背負い、幅広い層に顔と名を知られる存在となった。
世間「ウルトラマンといえば斎藤工」と、子どもから大人まで知る俳優になった。
TBS日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』に出演
軍艦島(端島)を舞台にした重厚な群像ドラマで進平を演じ、話題作の一角を担った。
移動映画館「cinéma bird」が文化庁長官表彰を受賞
石巻での初開催から10年、福島・熊本・北海道・石川・愛媛など各地の被災地や映画館のない町で上映を重ねてきた活動が、優れた文化活動として評価された。
現在
令和7〜
映画『少年と犬』などスクリーンでの活躍が続く
この年は樋口真嗣監督のNetflix映画『新幹線大爆破』など、話題作への出演を重ねた。
連続ドラマ『誘拐の日』で主演を務める
テレビ朝日の連続ドラマで、心優しくも不器用な誘拐犯・新庄政宗を主演。人間味あふれる役どころで作品を牽引した。
Prime Video『犯罪者』で高橋一生・水上恒司とトリプル主演
「相棒」等の太田愛による同名小説を松永大司監督が実写化したサスペンス。フリーライター・鑓水を演じ、高橋一生・水上恒司との三人芝居で物語を牽引する。2026年7月17日よりPrime Videoで世界独占配信(全7話)。
映画『キングダム 魂の決戦』公開(春申君役)
山﨑賢人主演の実写シリーズ最新作「合従軍編」に、大軍を率いる総大将・春申君として出演。2026年7月17日公開。
俳優・監督・移動映画館と、多方向に映画へ関わり続ける
スクリーンでの主演・出演に加え、本名の齊藤工名義での監督業、被災地を巡る移動映画館「cinéma bird」と、映画をめぐる複数の役割を並行して担い続けている。