フィギュアスケート大会の仕組みとランク

国際大会・国内大会の階層と年齢・級条件を整理

気になる選手の記事を作る過程で、そもそも大会の仕組みがわからなかったので、大会の全体像を把握する一助として本記事を作成した。

具体的には、フィギュアスケートの大会は国際大会(ISU主催)と国内大会(JSF主催)が別々の階層・カレンダーで並行して進むため、大会数の多さがわかりにくい。詳しい階層構造は後述の「大会の階層をランクで見る」で図解している。

このページでは2025-2026シーズン(2026年ミラノ・コルティナ冬季五輪シーズン)を例に、大会名・日程・開催地・階層を月ごとに整理した(個別の出場エントリー・結果は対象外。地域の小規模大会や海外の学生大会も網羅していない)。内容に誤りが含まれる可能性があるため、正確な最新情報は各大会・連盟の公式発表を参照していただきたい。

年齢とグレードを図で見る

年齢条件とグレード(級)条件は別の軸となっている。まずJSF国内大会(シニア/ジュニア/ノービスA・B)の基準を図解し、あわせてISU国際大会の年齢下限の変遷にも触れる。

年齢条件(国内・JSF)

ノービスB
スケート年齢9〜10歳
ノービスA
スケート年齢11〜12歳
ジュニア
13〜19歳
シニア
15歳以上
9歳11歳13歳15歳17歳19歳

ジュニアの年齢上限は男女シングル・アイスダンス/ペア女子が19歳、アイスダンス/ペア男子のみ22歳まで延びる。ノービスの「スケート年齢」はシーズン終了(6月30日)時点の満年齢で判定される。シニア・ジュニアいずれも年齢の下限に満たない場合、委員会承認の特例で出場が認められることがある。

グレード(級)条件 — バッジテストのピラミッド

シングル・ペアは初級から8級まで数字で上がっていく。アイスダンスは同じ位置づけで初級・プレシルバー・シルバー・プレゴールド・ゴールドという別体系の名称を使う。ノービスA・Bは男女で必要な級が異なる(女子の方が高い級を要求される)。

8級
7級シニア出場ライン
6級ノービスA出場ライン(女子)/ジュニア出場ライン
5級ノービスB出場ライン(女子)
4級ノービスA出場ライン(男子)
3級ノービスB出場ライン(男子)
2級
1級
初級

アイスダンスは独自の名称を使うが、6級はプレシルバー、7級はプレゴールドとおおよそ対応する。

国際大会の年齢下限は2年かけて17歳まで引き上げられた

2022-23シーズン
15歳以上(変更前)
2023-24シーズン
16歳以上
2024-25シーズン〜
17歳以上(現行)

2022年北京五輪でのドーピング問題を受け、ISUが選手の心身保護を理由に2年かけて段階的に引き上げた(国際大会限定。JSF国内大会のシニア年齢自体は15歳以上のまま)。

階層と対象年齢の早見表

階層によって出場できる年齢・資格が異なる。国際大会(ISU主催)は年齢のみで区分されるが、国内大会(JSF主催)は年齢とバッジテスト(技能検定)の級の両方を満たす必要がある。

階層主催年齢級・追加条件
シニア国際大会GPシリーズ・GPファイナル・チャレンジャーシリーズ・選手権級・オリンピックなどISU17歳以上級の指定なしJSFが強化方針に沿って代表選手を選考・派遣
ジュニア国際大会ジュニアグランプリ・ジュニアグランプリファイナル・世界ジュニア選手権ISU男女シングル: 13歳以上19歳未満アイスダンス・女子ペア: 21歳未満男子ペア: 23歳未満毎年7月1日時点の年齢で判定級の指定なし同上、JSFの選考・派遣による
シニア全日本選手権・東西日本選手権・ブロック大会JSF15歳以上開催年度7月1日までに到達。15歳未満は委員会承認の特例あり7級以上男女シングル共通ペア: 制限なしアイスダンス: パートナーいずれかがプレゴールド以上
ジュニア全日本ジュニア選手権ほかJSF13〜19歳アイスダンス・ペア男子は22歳まで6級以上男女シングル共通ペア: 制限なしアイスダンス: パートナーいずれかがプレシルバー以上
ノービスA全日本ノービス選手権JSFスケート年齢11〜12歳シーズン終了=6月30日時点の満年齢男子: 4級以上女子: 6級以上
ノービスB全日本ノービス選手権JSFスケート年齢9〜10歳男子: 3級以上女子: 5級以上
学生大会インカレ・インハイ・全中など各学連・JSF在学資格が基準大学生・高校生・中学生。年齢や級では区分しない

JSFの級はバッジテストと呼ばれる技能検定の合格級を指し、年齢基準と合わせて2条件を満たす必要がある。シングル・ペアは初級〜8級の数字制、アイスダンスは初級・プレシルバー・シルバー・プレゴールド・ゴールドなど別体系の名称を使う。

国際大会の年齢下限は2024-2025シーズンからISU規則により17歳に引き上げられた。これは国際大会(ISU主催)の基準であり、国内の全日本選手権(JSF主催)自体のシニア出場年齢は15歳以上のままである。

「予選会」(国民スポーツ大会冬季大会フィギュア予選会)や「国民スポーツ大会」は、この表のノービス/ジュニア/シニアの年齢・級区分とは別の枠組みの大会である。対象は都道府県代表選考など別基準による。

大会の階層をランクで見る

大会の「ランク」には2種類ある。勝ち上がった選手だけが次に進める予選型のピラミッド(国内)と、実力・実績に応じて出場資格が決まるグレード型(国際)だ。

国内: 勝ち上がり型のピラミッド

ブロック大会
(地域予選)
東日本/西日本選手権
(地区大会)
全日本選手権
(国内最高峰)

ノービス選手権・学生大会(インカレ等)は、このピラミッドとは別枠の大会区分。

国際: グレード型(招待・資格制)

チャレンジャーシリーズ
(技術要件クリアの足がかり)
グランプリシリーズ
(招待制の最上位級、全6戦)
グランプリファイナル
(6戦の上位6名のみ)
四大陸選手権/欧州選手権
(大陸別の選手権)
世界選手権
(シーズン最終目標)

オリンピックはこの階層に含まれず4年に一度、別途の代表選考を経て出場する(今シーズンは全日本選手権が選考会を兼ねた)。ジュニアも同様に、ジュニアグランプリシリーズ→ジュニアグランプリファイナル/世界ジュニア選手権という並行した階層を持つ。

8月(ジュニアGP開幕)

国際大会

大会名日程開催地階層
CSクランベリーカップ・インターナショナル
男女シングルのみ開催
08-07〜08-10米国・ノーウッド(マサチューセッツ州)チャレンジャーシリーズ
ジュニアグランプリシリーズ開幕
8月から12月にかけて全7戦。各種目上位6名がジュニアGPファイナル(名古屋)に進出。個別7戦の日程・開催地は今回未収集(要追加調査)。
08〜12各国持ち回り(全7戦)ジュニアグランプリ

9月(CS本格化・ブロック大会開幕)

国際大会

大会名日程開催地階層
ジョン・ニックス国際ペア競技会
ペアのみ開催
09-02〜09-03米国・ニューヨークチャレンジャーシリーズ
CS木下グループカップ
チャレンジャーシリーズの中では珍しい日本開催戦
09-05〜09-07日本・大阪チャレンジャーシリーズ
CSロンバルディアトロフィー
ペア種目なし
09-11〜09-14イタリア・ベルガモチャレンジャーシリーズ
CSネーベルホルントロフィー09-25〜09-27ドイツ・オーバーストドルフチャレンジャーシリーズ

国内大会

大会名日程開催地階層
東京フィギュアスケート選手権(東京ブロック大会)09-18〜09-21東京都江東区・東京辰巳アイスアリーナブロック大会
中部フィギュアスケート選手権(中部ブロック大会)09-19〜09-21愛知県名古屋市・邦和みなとスポーツ&カルチャーブロック大会
関東フィギュアスケート選手権(関東ブロック大会)09-25〜09-28山梨県甲府市・小瀬スポーツ公園アイスアリーナブロック大会
東北・北海道フィギュアスケート選手権(東北北海道ブロック大会)09-26〜09-28青森県八戸市・テクノルアイスパーク八戸ブロック大会

10月(GPシリーズ開幕・東西日本選手権)

国際大会

大会名日程開催地階層
CSデニス・テン・メモリアルチャレンジ10-01〜10-04カザフスタン・アスタナチャレンジャーシリーズ
CSトリアレティトロフィー10-08〜10-11ジョージア・トビリシチャレンジャーシリーズ
グランプリ・ド・フランス(GPシリーズ第1戦)10-17〜10-19フランス・アンジェグランプリシリーズ
カップ・オブ・チャイナ(GPシリーズ第2戦)10-24〜10-26中国・重慶グランプリシリーズ
スケートカナダ(GPシリーズ第3戦)10-31〜11-02カナダ・サスカトゥーングランプリシリーズ

国内大会

大会名日程開催地階層
近畿フィギュアスケート選手権(近畿ブロック大会)10-02〜10-05京都府宇治市・木下アカデミー京都アイスアリーナブロック大会
中四国九州フィギュアスケート選手権(中四国九州ブロック大会)10-02〜10-05福岡県福岡市・オーヴィジョンアイスアリーナ福岡ブロック大会
東日本学生フィギュアスケート選手権(東インカレ)10-10〜10-12東京都江東区・東京辰巳アイスアリーナ学生大会
全日本フィギュアスケートノービス選手権10-17〜10-19神奈川県横浜市・KOSÉ新横浜スケートセンター全日本ノービス選手権
西日本学生フィギュアスケート選手権(西インカレ)10-17〜10-19滋賀県大津市・木下カンセーアイスアリーナ学生大会
東日本フィギュアスケート選手権(シニア・ジュニア)10-23〜10-26茨城県ひたちなか市・山新スイミングアリーナ東西日本選手権
西日本フィギュアスケート選手権(シニア・ジュニア)10-31〜11-03滋賀県大津市・木下カンセーアイスアリーナ東西日本選手権

11月(NHK杯・全日本ジュニア選手権)

国際大会

大会名日程開催地階層
NHK杯(GPシリーズ第4戦)11-07〜11-09日本・大阪グランプリシリーズ
スケートアメリカ(GPシリーズ第5戦)11-14〜11-16米国・レイクプラシッドグランプリシリーズ
CSワルシャワカップ
ペア種目なし
11-19〜11-23ポーランド・ワルシャワチャレンジャーシリーズ
フィンランディアトロフィー(GPシリーズ第6戦)11-21〜11-23フィンランド・ヘルシンキグランプリシリーズ
CSタリントロフィー11-24〜11-30エストニア・タリンチャレンジャーシリーズ

国内大会

大会名日程開催地階層
全日本フィギュアスケートジュニア選手権11-22〜11-24東京都江東区・東京辰巳アイスアリーナ全日本ジュニア選手権
国民スポーツ大会冬季大会フィギュア予選会11-29〜11-30滋賀県大津市・木下カンセーアイスアリーナ予選会

12月(GPファイナル・全日本選手権)

国際大会

大会名日程開催地階層
CSザグレブ杯(ゴールデンスピン)12-03〜12-06クロアチア・ザグレブチャレンジャーシリーズ
ISUグランプリファイナル
GPシリーズ6戦の上位6名によるシーズン最高峰の一戦。日本開催。
12-04〜12-06日本・名古屋グランプリファイナル
ジュニアグランプリファイナル
シニアのグランプリファイナルと同都市・近接日程で開催
12-04〜12-07日本・名古屋(愛知国際アリーナ)ジュニアグランプリファイナル

国内大会

大会名日程開催地階層
全日本フィギュアスケート選手権
国内最高峰。今シーズンは2026年ミラノ・コルティナ五輪の代表選考会を兼ねる。
12-18〜12-21東京都渋谷区・国立代々木競技場第一体育館全日本選手権

1月(四大陸選手権)

国際大会

大会名日程開催地階層
ヨーロッパ選手権
日本選手は出場資格対象外(参考掲載)
01-14〜01-18英国・シェフィールド選手権級(欧州)
四大陸選手権
冬季五輪直前の最終調整の場という位置づけ
01-21〜01-25中国・北京選手権級

国内大会

大会名日程開催地階層
日本学生氷上競技選手権(インカレ)01-08〜01-11東京都江東区・東京辰巳アイスアリーナ学生大会
全国高等学校スケート選手権(インハイ)01-16〜01-19栃木県宇都宮市・宇都宮市スケートセンター学生大会
国民スポーツ大会冬季大会スケート競技会01-31〜02-03青森県八戸市・FLAT HACHINOHE国民スポーツ大会
全国中学校スケート競技会(全中)01-31〜02-03長野県長野市・長野市若里多目的スポーツアリーナ学生大会(中学)

2月(冬季オリンピック)

国際大会

大会名日程開催地階層
冬季オリンピック フィギュアスケート競技
4年に一度の最大イベント。全日本選手権が代表選考会を兼ねた。
02-06〜02-19イタリア・ミラノ/コルティナダンペッツォオリンピック

3月(世界選手権)

国際大会

大会名日程開催地階層
世界ジュニア選手権03-04〜03-07エストニア・タリン選手権級(ジュニア)
世界選手権
シーズン最終目標となる最高峰の大会
03-25〜03-29チェコ・プラハ選手権級

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よくある質問

グランプリシリーズとチャレンジャーシリーズの違いは?

グランプリ(GP)シリーズは各国の有力選手が招待される最上位クラスの国際大会で、6戦の上位6名がグランプリファイナルに進む。チャレンジャーシリーズ(CS)はGPより一段階下の位置づけで、より幅広い国・選手が出場でき、技術要件(エントリー資格)を満たすための足がかりとしても使われる。

全日本選手権と東日本/西日本選手権、ブロック大会はどういう関係?

国内はピラミッド構造になっている。まず地域ごとのブロック大会(東京・関東・中部・近畿・東北北海道・中四国九州など)が行われ、その上位選手が東日本選手権/西日本選手権に進み、さらにその上位選手が全日本選手権に進む。全日本選手権が国内シーズンの最終目標であり、五輪や世界選手権の代表選考も兼ねる。

今シーズン(2025-2026)は何が特に注目でしたか?

2026年2月にミラノ・コルティナ冬季オリンピックが開催され、12月の全日本選手権がその代表選考会を兼ねた。グランプリファイナル・ジュニアグランプリファイナルはいずれも日本(名古屋)で開催された。

大会に出場できる年齢は決まっているの?

階層ごとに決まっている。国際大会(ISU)はシニアが17歳以上、ジュニアはシングルで13歳以上19歳未満などと年齢のみで区分される。国内大会(JSF)はさらに年齢とバッジテスト(技能検定)の合格級の両方が条件で、シニアは開催年度7月1日までに15歳(特例あり)かつ7級以上、ジュニアは13〜19歳かつ6級以上、ノービスAはスケート年齢11〜12歳かつ4級(男子)/6級(女子)以上、ノービスBはスケート年齢9〜10歳かつ3級(男子)/5級(女子)以上となっている。国際大会の「17歳」と国内シニアの「15歳」は別の基準なので混同しないよう注意。

この一覧に載っていない大会もありますか?

ある。ジュニアグランプリシリーズの個別7戦や、全日本選手権より下位の地域少年団大会・地区予選の細目、海外の学生大会などは対象外としている。掲載は日本人選手が関係しうる主要な国際大会・国内大会に絞っている。

参照したソース(21件)

最終更新 2026-08-30