目次
監督を目指して抱えた借金から、俳優へ
昭和41〜
東京都に生まれる
俳優で司会者の高島忠夫と、女優の寿美花代の三男として生まれる。兄は俳優の髙嶋政宏で、2人は年子、誕生日はわずか2日違い。
自主映画の制作で280万円の借金を負う
小学生の時に観た『ジョーズ』で映画監督の名前を意識するようになり、高校時代には演出家を志して劇団「東芸」に入った。成城大学文芸学部芸術学科に進むと自主映画を撮り、監督2作目で280万円の借金を抱える。本人によれば当時は19歳か20歳で、ジャズクラブのボーイなどのアルバイトでは返せそうになかった。
本人監督2作目の作品で280万円の借金を抱えました。当時の僕はまだ19歳か20歳でしたから、この金額は途方もなく、今の僕の感覚だと億単位ぐらいの重たさに感じられました。 出典
兄の付き人として『トットチャンネル』の現場へ
借金を抱えて父に泣きつくと、「おまえには監督の才能はない。俳優になれ」と言われた。借金は父が肩代わりし、それを返すために俳優を志す。父と兄の付き人をしながら芸能事務所を回り、兄の付き人として大森一樹監督の『トットチャンネル』の現場にも加わった。兄が所属する東宝芸能の面接には一度落ちたが、叔父の髙嶋弘之が東宝芸能に電話をかけ、預かってもらえることになったという。
— 連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』でデビュー
大学在学中、NHK連続テレビ小説『純ちゃんの応援歌』に牛山金太郎役で出演し、俳優としてデビューする。デビューにあたっては、大きなコンプレックスだった右頬のホクロを手術で取った。当時はレーザーではなくメスによる手術だった。事務所に入るうえでも、このホクロがネックになっていた。
『HOTEL』の赤川一平と、好青年の役
平成元〜
映画『ゴジラvsビオランテ』で黒木翔を演じる
12月16日公開の『ゴジラvsビオランテ』で、プロデューサーの推薦により黒木翔役に起用される。小劇場出身で声が大きく芝居も大げさだったが、監督の大森一樹に、滑舌良く喋るより気持ちを大事にすることを教えられ、演じる者の気持ちになって演じられるようになったと振り返っている。父・忠夫に続く、親子2代のゴジラシリーズ出演だった。
— TBS『HOTEL』で主人公の赤川一平を演じる
1月11日に始まったTBS『HOTEL』で、主人公の新人ホテルマン・赤川一平を演じる。シリーズは2002年まで続き、「姉さん、事件です」の決め台詞と、トラブルのたびの謝罪「申し訳ございません」が知られた。頭を下げる動作を1日にテストを含め30回近く繰り返すうちにぎっくり腰になり、コルセットを巻いて注射を打ちながら頭を下げていたと後年明かしている。この作品で一躍脚光を浴び、同じ年にはベスト・ジーニスト賞とベスト・ドレッサー賞を受け、12月には山田邦子とのデュエット曲『どうするの赤坂』を出した。TBSのバラエティ番組『MOGITATE!バナナ大使』の挿入歌で、山田とは同番組の司会も務めた。
第14回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞
『ゴジラvsビオランテ』と『山田ババアに花束を』で、第14回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受ける。同じ年にはエランドール賞の新人賞も受けた。この年の大河ドラマ『太平記』では足利直義を演じている。
石原裕次郎新人賞と、日本アカデミー賞優秀助演男優賞
1993年、『虹の橋』『修羅場の人間学』で第6回日刊スポーツ映画大賞の石原裕次郎新人賞を受け、『修羅場の人間学』の主題歌『月に吠える』も出した。翌1994年には、『虹の橋』の富士太役で第17回日本アカデミー賞の優秀助演男優賞を受ける。
大河ドラマ『秀吉』で豊臣秀長を演じる
大河ドラマ『秀吉』で、兄の秀吉を補佐する弟・豊臣秀長を1年にわたって演じる。秀長は亡くなるまで秀吉の政を、特に金銭面で支え続けた人物。劇中では、夢のために生きると熱く語る秀吉に「夢じゃ、めしは食えねえよ」と返す。同じ年には著書『何の因果で』(光文社)を出している。
本人大河ドラマへの出演という、役者にとって夢のような想いをしているはずの僕が、今でも大好きな台詞がこれです。 出典
舞台『音楽劇ブッダ』で主演
前年の連続テレビ小説『あぐり』で林晃を演じたのに続き、9月には新国立劇場中劇場の舞台『音楽劇ブッダ』で主演のシッダルタを演じる。好青年の役が多かった初期にも、自主的な活動ではエログロな内容の朗読劇を演じたり、小説『闇の奥』を難解な脚色で舞台化したりして、観客を戸惑わせることがしばしばあった。
『こちら本池上署』で椎名啓介を演じる
2000年からテレビ朝日の『お祭り弁護士・澤田吾朗』シリーズで澤田吾朗を演じ、2002年7月に始まったTBS『こちら本池上署』では正義感の強い警官・椎名啓介を演じる。シリーズは2005年の第5シリーズまで続いた。『ダブル・キッチン』の嫁と姑の板挟みに悩む夫など、この頃までの役は“いい人”が多かった。
大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』で柳生兵庫助を演じる
大河ドラマ『武蔵 MUSASHI』で柳生兵庫助を演じる。11月には『TRICK』第3シリーズの第5話・第6話に、赤地洋司役で出演した。
結婚と離婚、増えていく悪役
平成19〜
『金賢姫を捕らえた男たち』で美元と共演
12月15日放送のフジテレビのドラマ『大韓航空機爆破事件から20年 金賢姫を捕らえた男たち〜封印された3日間〜』で砂川昌順を演じ、モデルの美元と共演する。この年は映画『釣りバカ日誌18』にも出演した。
美元と結婚
前年のドラマで共演した美元と、3月8日に婚約する。交際わずか6日でのプロポーズだった。8月31日に東京・永田町の日枝神社で挙式し、帝国ホテルで披露宴を行い、9月8日に婚姻届を出したと美元がブログで公表した。
— 『DOCTORS〜最強の名医〜』で森山卓を演じる
1月から放送のTBS『冬のサクラ』で、妻を精神的に追い詰めていく夫・石川航一を演じたあたりから、悪役を演じることも増えた。10月27日に始まったテレビ朝日『DOCTORS〜最強の名医〜』では、プライドの高い医師・森山卓を演じる。2016年のオリコンの記事で、テレビ誌の編集者は、傲慢なのに責められると途端に弱気になるこの役のブチ切れ演技が、悪役のイメージを視聴者に印象づけたと述べた。シリーズはシーズン3まで続き、2023年1月3日にはファイナルも放送された。
美元との離婚が成立
2011年7月に美元と離婚協議中であると報じられ、離婚を求める裁判が続いた。2012年11月9日、東京家庭裁判所が離婚を認める判決を言い渡す。その後、美元側が離婚に同意し、髙嶋側も裁判を取り下げ、11月26日までに離婚が成立した。
WOWOW『株価暴落』で二戸哲也を演じる
この年の7〜9月には『信長のシェフ Part2』で武田信玄を演じた。10月19日に始まったWOWOWのドラマ『株価暴落』で、主演の織田裕二が演じる坂東と社内で対立する二戸哲也を演じる。会見では「初日を迎えるまで3日くらい織田さんが夢に出てきて、怖くてしょうがなかった」と明かし、織田は「悪を満喫していらっしゃる」と評した。
北条氏政から武田信玄へ、エッセイ集も
平成28〜
大河ドラマ『真田丸』で北条氏政を演じる
大河ドラマ『真田丸』で北条氏政を演じる。ちょんまげ姿で汁かけご飯をかき込み、悪い笑い顔を見せる氏政には、ネットで「高嶋政伸の悪役は天下一品」といった声が多く上がった。秀吉の大軍に小田原城を囲まれて切腹する場面の撮影前日には、脚本の三谷幸喜に、氏政の辞世の句としてバート・バカラックの『アルフィー』の一節をメールで送った。
第1子の長男が誕生
8月、第1子の長男が誕生する。父の高島忠夫は初孫を見て「この子はスーパースターになる」と言ったという。この夏は『黒革の手帖』(テレビ朝日)で橋田常雄を演じていた。
父・高島忠夫が死去
父は1998年から鬱を患い、亡くなるまで完治しなかった。6月26日、父の高島忠夫が老衰のため88歳で亡くなる。政伸は事務所を通じ、父が最後まで明るい声で笑ったり話したりしながら、大好きだったフリオの歌声に包まれて穏やかに旅立ったとコメントした。
エッセイ『インティマシーコーディネーター』を『波』に発表
新潮社の『波』2024年4月号に載った連載『おつむの良い子は長居しない』の第12回『インティマシーコーディネーター』では、前年のNHKドラマ10『大奥 Season2』医療編で、娘に幼い頃から性的暴行を加え続けている父親、第12代将軍・徳川家慶を演じるにあたり、インティマシーコーディネーターを必ず付けるよう求めたことを書いている。
『相棒 season23』の元日スペシャルで初出演
1月1日放送の『相棒 season23』元日スペシャルに桧山弘一役で出演し、『相棒』に初めて出る。同じ月には日本テレビ『相続探偵』の第1話に桜庭真一役で出た。この年は『あきない世傳 金と銀2』で枡吾屋忠兵衛を、テレビ朝日の『リベンジ・スパイ』で藺牟田隆一を演じるなど、ドラマへの出演が続いた。
エッセイ集『おつむの良い子は長居しない』を刊行
6月24日、新潮社からエッセイ集『おつむの良い子は長居しない』を出す。子どもが生まれてから頭の中に文章が次々と浮かぶようになり、詩や短編小説を書き始めた。その文才を評価した作家の川上未映子の後押しもあり、エッセイ集の刊行に至った。父とその死、「怪演」を生む役作り、心霊体験までをつづり、2025年8月刊の『ベスト・エッセイ2025』にも収められた『インティマシーコーディネーター』を含む20本を収めた。
映画『八つ墓村』に出演
9月18日公開の映画『八つ墓村』に出演する。横溝正史の原作を、清水崇監督が完全新作として映画化した作品で、金田一耕助は尾上松也が演じる。髙嶋の役は、かつて村で起きた事件のカギを握る田治見庄左衛門。
現在:火曜ドラマ『君の好きは無敵』などに出演
4月からは『あきない世傳 金と銀3』に出演し、完結編は2027年1月1日放送。7月からのTBS火曜ドラマ『君の好きは無敵』では、主人公・草壁杏奈(松本若菜)の過去に大きく関わる飲食店「キッチン迫田」の店主・迫田勉を演じた。
本人非常に独特な台本なのですが、人としての大切な事がいっぱい書かれた素敵な作品で、読み進める内に、思わず笑顔になりました。 出典