ペンシルベニアの水泳部から機械工学へ
昭和50〜
カリフォルニア州に生まれる
ジョン・パトリック・ターナス。アメリカ・カリフォルニア州で生まれた。
ペンシルベニア大学の男子水泳チームで泳ぐ
在学中は男子水泳チームに所属していた。学生新聞The Daily Pennsylvanianは1994年2月、1年生のターナスが50ヤード自由形と200ヤード個人メドレーの2種目で1位になったと報じている。
ペンシルベニア大学で機械工学の学士号を取得
卒業研究では、四肢麻痺のある人が頭の動きを使って操作できる機械式の食事補助アームを開発した。卒業後はバーチャルリアリティ用ヘッドセットを手がける小さな会社Virtual Research Systemsに機械エンジニアとして入った。ここが社会人としての最初の職場だった。
Appleのプロダクトデザインチームで
平成13〜
— Appleに入社し、プロダクトデザインチームに配属される
大学卒業後2つ目の職場だった。最初に担当したのはApple Cinema Displayという大型のデスクトップ用ディスプレイで、部品の精度を一つずつ確かめる仕事だった。以後25年にわたってAppleのハードウェアをつくり続けた。後年の講演では、入社1年目に自宅から遠く離れた部品メーカーの工場で、深夜過ぎに拡大鏡でねじの頭の溝の数を数え、25本のはずが35本あると取引先と言い合っていた時のことを振り返り、自分は一体何をしているのか、これは普通なのかと我に返った瞬間があったと話している。入社初日については、高揚すると同時に気後れもしたと振り返っている。周りの人はとても賢く自信に満ちていて、自分よりずっと多くを知っていたという。それでも、必要なときにためらわず人に助けを求められたことは、今でもよかったと思っていると語った。
本人I wasn't sure I belonged there(訳: 自分がここにいていい人間なのか分からなかった) 出典
初代iPadが発売される
初代iPadは2010年1月に発表され、同年4月3日にWi-Fiモデルが発売された。Appleは後に、ターナスがiPadとAirPodsという新しい製品ラインの投入に不可欠な存在だったと説明している。テック媒体The Next Webも、ターナスはiPadに構想段階から関わり、以後すべての世代・モデルを統括してきたと報じた。
ハードウェアをまとめる立場へ
平成25〜
ハードウェアエンジニアリング担当バイスプレジデントに就任
ダン・リッチオの下でバイスプレジデントに抜擢され、AirPods・Mac・iPadの開発責任者となった。
AirPodsが発売される
初代AirPodsは2016年9月7日にiPhone 7とともに発表され、当初の10月下旬という予定から延期されて12月13日に販売が始まった。Appleはこの製品ラインの投入についても、ターナスが不可欠な存在だったとしている。
Appleのイベントで製品発表のプレゼンテーションを担当するようになる
バイスプレジデント昇格後は、WWDCやAppleイベントでMacやiPadの新製品を自ら紹介する役回りが増えた。2018年にはiPad ProとiMac Pro、2019年にはデザインを刷新したMac Proを発表している。
iPhoneのハードウェアも担当し、Apple siliconへの移行を統括
それまでダン・リッチオが直接統括していたiPhoneのハードウェアがターナスの担当に加わった。同じ年に始まったMacのプロセッサをIntel製から自社設計のApple siliconへ切り替える移行も統括し、Apple M1を搭載したMacBook Air・MacBook Pro・Mac miniを自ら披露した。
ハードウェアエンジニアリング担当上級副社長に昇格
リッチオが別のプロジェクトへ移るのに伴い、その後任として上級副社長に就き、経営陣に加わった。Bloomberg Newsはこの時点でターナスをApple経営陣で最年少と伝え、カリスマ性があり人望も厚いと評している。
Apple Watchのハードウェアも統括するようになる
2022年後半にApple Watchのハードウェアも統括するようになった。この時点でMac・iPad・iPhone・AirPods・Apple Watchという主要な製品ラインのハードウェアが、いずれもターナスの下に置かれたことになる。
母校ペンシルベニア大学工学部の卒業式で講演する
卒業生を前にAppleでの経験から学んだことを語り、その場にいる誰と比べても自分は劣らないと思っていい、ただし相手と同じだけ知っているとは決して思うな、と述べた。この心構えでいれば前に進むのに必要な自信が持てるし、それ以上に大切なこととして、分からないことを聞ける謙虚さが身につく、と続けている。
次期CEOの有力候補として繰り返し報じられるようになる
この頃からクックの後継者としてターナスの名前を挙げる報道が相次いだ。Business Insiderは2025年11月17日に「Who is John Ternus, the Apple exec tipped to take over from Tim Cook?」と題した記事を掲載している。
CEOとして
令和8〜
インダストリアルデザインチームの統括も担う
ハードウェアエンジニアリングに加えて、Appleのインダストリアルデザインチームも統括する立場になった。Bloomberg Newsはこの人事を、ターナスがCEO候補であることをいっそう強く示すものだと報じた。
次期CEOに就く人事が発表される
Appleは、ティム・クックがエグゼクティブ・チェアマンに就き、ハードウェアエンジニアリング担当上級副社長のターナスが9月1日付でCEOに就任すると発表した。取締役会で全会一致で承認されたこの異動は、慎重に検討された長期的な後継者育成計画にもとづくものだと説明されている。クックは夏の間もCEOを務め、移行に向けてターナスと連携した。
本人キャリアのほぼすべてをAppleで過ごし、スティーブ・ジョブズのもとで働けたこと、ティム・クックが私のメンターであったことは大変な幸運でした 出典
— AppleのCEOに就任
同日付で取締役会にも加わった。15年にわたって非執行会長を務めたアーサー D. レビンソンは筆頭独立取締役となった。オペレーション出身のクックから、25年ハードウェアをつくり続けてきた技術者へ経営の舵が渡ったことになる。ハードウェア担当の後任には、ハードウェアテクノロジー担当上級副社長のジョニー・スルージが就いた。
CEOとして初めて新製品発表会の舞台に立つ
Apple Parkで開かれた新製品発表会にCEOとして初登壇した。現地で取材したギズモード・ジャパンは、ターナスがステージに現れた瞬間に会場が大きく沸いたと伝えている。この日Appleは同社初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」を発表し、米国や日本など70以上の国と地域で10月16日から予約を受け付け、10月23日に発売するとした。価格は36万4800円から。