★ STAR TIMELINE

おしい まもる

押井 守

『機動警察パトレイバー』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』などで、虚構と現実の境界を問い続け、日本アニメを世界的評価へ押し上げた映画監督・アニメーション演出家。

昭和26年 東京都大田区生まれ ・ 1951–

職業映画監督・アニメーション演出家 ・ 所属有限会社八八粍 ・ 学歴東京学芸大学教育学部美術教育学科卒 ・ 主な受賞アニー賞 ウィンザー・マッケイ賞(2016年度、授賞式2017年2月)

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2026(令和8)

現在 ―― 70代でなお新作を作り続ける

前年12月にTAAF2026のアニメ功労部門受賞者に選出され、11月には『装甲騎兵ボトムズ 灰色の魔女』第1作の公開を控える。東京大学大学院特任教授など教育の場での活動も続けながら、静岡県熱海市を拠点にいまも新作アニメ・実写映画を作り続けている。

1951(昭和26) 東京都大田区大森に生まれる1976(昭和51) 6年間通った大学を卒業、就職活動は不採用続き1977(昭和52) 竜の子プロダクションに入社、アニメ業界へ演出家デビュー1979(昭和54) スタジオぴえろへ移籍1981(昭和56) 『うる星やつら』のチーフディレクターに抜擢1983(昭和58) 『うる星やつら オンリー・ユー』で劇場映画監督デビュー監督デビュー1984(昭和59) 『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』、ぴえろ退社しフリーに1985(昭和60) OVA『天使のたまご』、興行的には苦戦1987(昭和62) 『紅い眼鏡/The Red Spectacles』で実写映画に初挑戦1989(平成1) 『機動警察パトレイバー the Movie』が日本アニメ大賞を受賞パトレイバー1993(平成5) 『機動警察パトレイバー 2 the Movie』公開、熱海市へ転居1995(平成7) 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』、米ビルボード誌で1位GHOST IN THE SHELL1997(平成9) 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 インターナショナル・ヴァージョン』を監督2000(平成12) 『BLOOD THE LAST VAMPIRE』に企画協力2001(平成13) 実写映画『Avalon』、カンヌ国際映画祭に出品2004(平成16) 『イノセンス』、日本アニメ初のカンヌ・コンペティション部門出品イノセンス2008(平成20) 『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』公開2009(平成21) 実写映画『ASSAULT GIRLS』公開2010(平成22) 実写映画『28 1/2 妄想の巨人』公開2013(平成25) 短編『Kick-Heart』を監修、日本アニメ初のクラウドファンディング2015(平成27) 実写版『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』公開2016(平成28) 『ガルム・ウォーズ』日本公開ガルム・ウォーズ2017(平成29) 米アニー賞ウィンザー・マッケイ賞、授賞式で受賞ウィンザー・マッケイ賞2017(平成29) 短編『Sand Whale and Me』、米カートゥーンネットワークで配信2021(令和3) 『ルパン三世 PART6』に脚本参加2022(令和4) 実写映画『血ぃともだち』、一夜限りの劇場公開2025(令和7) 東京アニメアワードフェスティバル2026のアニメ功労部門受賞者に選出2026(令和8) 『装甲騎兵ボトムズ 灰色の魔女〈ヘクセ〉』第1作公開(2026年11月20日公開)灰色の魔女2026(令和8) 現在 ―― 70代でなお新作を作り続ける昭和平成令和
誕生 1951現在
東京・大田区大森に生まれ、東京学芸大学時代は授業そっちのけで年間1000本もの映画を見るほど映画に没頭した。就職活動では映像関係の会社にことごとく落ち、たまたま電柱の求人張り紙を見て竜の子プロダクションの門を叩いたのが26歳の時。以来、テレビアニメの演出家から出発し、『うる星やつら』『機動警察パトレイバー』『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』『イノセンス』と作品を重ねるたび、「何が現実で何が虚構か」という問いを繰り返し形にしてきた。1995年の『GHOST IN THE SHELL』は日本の映像作品として初めて米ビルボード誌のビデオ売り上げ1位を獲得し、2004年の『イノセンス』は日本アニメ初のカンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作となるなど、国内よりも早く世界がその作家性を評価した監督でもある。アニメと実写を行き来しながら、70代を迎えたいまも新作を作り続けている。

歩み

大森の少年、学芸大で映画に没頭する

昭和26〜

昭和
1951昭和268月
満0歳

東京都大田区大森に生まれる

東京都立小山台高等学校を経て、東京学芸大学教育学部美術教育学科に進学。物書きや映画監督を志す一方、大学入学後は映画に熱中し、年間1000本ほどの映画を見る学生生活を送った。既存の映画研究会と袂を分かち、自ら「映像芸術研究会」を設立して実写映画を撮り始めた。

1976昭和51

6年間通った大学を卒業、就職活動は不採用続き

映画監督を志して映像関係の会社を回るが、ことごとく不採用となり、知人の紹介でラジオ番組制作会社に一時籍を置くも給料の不払いが続いたため10ヶ月で退社。「無職」だった時期を経て、翌年アニメーション業界へ足を踏み入れることになる。

アニメ演出家として頭角を現す

昭和52〜

1977昭和52
満26歳演出家デビュー

— 竜の子プロダクションに入社、アニメ業界へ

電柱に貼られた求人の張り紙を見て面接を受け、竜の子プロダクション(現・タツノコプロ)に入社。『ヤッターマン』のメカ担当を経て、『一発貫太くん』で演出家としてデビューした。先に入社していた西久保瑞穂・真下耕一・うえだひでひとと共に、後に「タツノコ四天王」と呼ばれるようになる。大学卒業後の遠回りを経ての26歳での入社は当時のアニメ業界では遅い部類だったが、最短距離で仕事を覚え頭角を現した。この道に進んだ原点をのちに「タツノコへ行ったのはたまたま。電柱に募集の張り紙が貼ってあるのを見て、面接受けに行ったの」と振り返っている。

本人タツノコへ行ったのはたまたま。電柱に募集の張り紙が貼ってあるのを見て、面接受けに行ったの。

1979昭和54
満27歳

スタジオぴえろへ移籍

私淑する演出家・鳥海永行を追う形でスタジオぴえろに移籍。テレビアニメ『ニルスのふしぎな旅』でレギュラー演出家として鳥海の下につき、演出家としての経験を積んだ。

1981昭和56
満29歳

『うる星やつら』のチーフディレクターに抜擢

テレビアニメ『うる星やつら』のチーフディレクターに抜擢され、高い視聴率を支えたことから「視聴率男」の異名をとった。

1983昭和582月
満31歳監督デビュー

— 『うる星やつら オンリー・ユー』で劇場映画監督デビュー

劇場版第1作『うる星やつら オンリー・ユー』で映画監督としてデビュー。テレビアニメ『うる星やつら』のチーフディレクターとして頭角を現していた流れを受けたもので、以後の映画監督としてのキャリアの出発点となった。この時期に最初の結婚が終わっている。

1984昭和592月
満32歳

『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』、ぴえろ退社しフリーに

劇場版第2作『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』が1984年のキネマ旬報読者選出ベスト・テンで邦画第7位となり、アニメ監督として国内でも高く評価された。同作を最後に『うる星やつら』を降板すると同時にスタジオぴえろを退社し、以後フリーランスの演出家となった。同時期に再婚している。

実写への進出とパトレイバー

昭和60〜

1985昭和60
満34歳

OVA『天使のたまご』、興行的には苦戦

徳間書店・徳間康快のバックアップで制作したOVA『天使のたまご』を完成させるが、興行的には苦戦。「難解でわけのわからない作品を作る監督」との評判が立ち、しばらくアニメの仕事依頼が途絶えた。この時期、宮﨑駿の事務所に居候し、宮崎の推薦で劇場版『ルパン三世』の監督を引き受けるも構想が受け入れられず降板している。

1987昭和62
満35歳

『紅い眼鏡/The Red Spectacles』で実写映画に初挑戦

声優・千葉繁のプロモーションビデオ企画から発展した実写映画『紅い眼鏡/The Red Spectacles』を監督し、実写初監督を果たす。これ以降、アニメだけでなく実写にも活動の場を広げていった。

平成 1989
1989平成17月
満37歳パトレイバー

— 『機動警察パトレイバー the Movie』が日本アニメ大賞を受賞

1988年に原作者集団「ヘッドギア」の一員としてOVA『機動警察パトレイバー』の企画に参加して第一線に復帰。続く劇場アニメ『機動警察パトレイバー the Movie』は第7回日本アニメ大賞を受賞し、活動の拠点をProduction I.Gへ移す転機となった。以後、Production I.Gで企画者育成のため「押井塾」を主宰するなど中心的役割を担っている。

1993平成58月
満41歳

『機動警察パトレイバー 2 the Movie』公開、熱海市へ転居

シリーズ第2作『機動警察パトレイバー 2 the Movie』が公開され、翌1994年の毎日映画コンクールアニメーション映画賞を受賞。同じ1993年、静岡県熱海市に転居し、以後この地を拠点とする。

1995平成711月
満44歳GHOST IN THE SHELL

— 『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』、米ビルボード誌で1位

士郎正宗の漫画を原作に、電脳化・義体化が進んだ近未来を描いた本作を日本公開。公開の翌1996年8月24日付で、日本の映像作品として史上初めて米ビルボード誌のビデオ週間売り上げで1位を獲得した。ジェームズ・キャメロンやウォシャウスキー姉妹ら世界的な映画作家に影響を与えたとされ、押井守の名を国際的に知らしめる決定的な転機となった。

世界の映画祭で評価を確立する

平成8〜

1997平成9
満45歳

『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊 インターナショナル・ヴァージョン』を監督

海外での評価の高まりを受け、新規カットを加えた再編集版『インターナショナル・ヴァージョン』を監督。世界的に広がった評価に応える形となった。

2000平成12
満49歳

『BLOOD THE LAST VAMPIRE』に企画協力

北久保弘之監督のフルデジタルアニメ『BLOOD THE LAST VAMPIRE』に企画協力として参加。自身の監督作の合間も、後進の企画に関わる活動を続けていた。

2001平成131月
満49歳アヴァロン

実写映画『Avalon』、カンヌ国際映画祭に出品

ポーランドで撮影した実写映画『Avalon』を公開。同年のカンヌ国際映画祭で正式出品され、第34回シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀撮影賞を受賞するなど、実写作品でも国際的な評価を得た。

2004平成163月
満52歳イノセンス

— 『イノセンス』、日本アニメ初のカンヌ・コンペティション部門出品

『GHOST IN THE SHELL』の続編にあたる『イノセンス』を公開。同年のカンヌ国際映画祭オフィシャル・コンペティション部門に、日本のアニメーション映画として初めて出品された。アニメ映画作品として初めて日本SF大賞も受賞し、国際的な評価と国内での評価が同時に確立した年となった。

2008平成208月
満56歳スカイ・クロラ

『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』公開

森博嗣原作の長編アニメ映画『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』を公開。第32回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞(2008年12月18日ノミネート発表、2009年2月20日授賞式)、毎日映画コンクールアニメーション映画賞などを受賞した。以後、押井は長編アニメ映画の新作監督作品を公開しておらず、活動の軸を実写や他媒体へ広げていく。

実写・多方面へ、そしていまも新作を

平成21〜

2009平成2112月
満58歳

実写映画『ASSAULT GIRLS』公開

単独作品としては8年ぶりとなる実写映画『ASSAULT GIRLS』を公開。並行して実写・ゲーム・著作など多方面での活動を続けた。

2010平成227月
満58歳

実写映画『28 1/2 妄想の巨人』公開

舞台『鉄人28号』の舞台裏を追った、低予算・即興撮影によるシネマ・ヴェリテ的ドキュメンタリー映画『28 1/2 妄想の巨人』を監督・脚本。実写での挑戦的な企画を続けた。

2013平成25
満61歳

短編『Kick-Heart』を監修、日本アニメ初のクラウドファンディング

湯浅政明が監督する短編アニメ『Kick-Heart』を監修。制作費をKickstarterで募り、日本のアニメ作品として初めてクラウドファンディングを活用した企画に協力した。

2015平成275月
満63歳

実写版『THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦』公開

2014年からのシリーズ総監督を務めた実写版『THE NEXT GENERATION -パトレイバー-』の劇場版『首都決戦』が公開。同年、1982年に製作されながら未公開だった『劇場版 ニルスのふしぎな旅』が初めて劇場公開されている。

2016平成285月
満64歳ガルム・ウォーズ

— 『ガルム・ウォーズ』日本公開

北米で先行制作された実写映画『ガルム・ウォーズ』が日本公開され、長年温めてきた実写での国際展開が一つの到達点を迎えた。同年11月には、米アニー賞の生涯功労賞にあたるウィンザー・マッケイ賞の受賞者に選出され、生涯功労賞級の評価を受ける転機となった。

2017平成292月
満65歳ウィンザー・マッケイ賞

— 米アニー賞ウィンザー・マッケイ賞、授賞式で受賞

米ロサンゼルスのUCLAロイス・ホールで開催された第44回アニー賞授賞式にて、生涯功労賞にあたるウィンザー・マッケイ賞を受賞。長年の作家活動が国際的に改めて評価された。

2017平成293月
満65歳

短編『Sand Whale and Me』、米カートゥーンネットワークで配信

実写・CG・ゲームを融合させた短編シリーズ『Sand Whale and Me』を監督。米カートゥーンネットワークのブロック「Toonami」20周年記念作品として配信された。

令和 2019
2021令和310月〜12月頃
満70歳

『ルパン三世 PART6』に脚本参加

テレビアニメ『ルパン三世 PART6』の4話・10話の脚本を担当。1985年に一度は降板した『ルパン三世』シリーズに、脚本という形であらためて関わった。

2022令和42月
満70歳

実写映画『血ぃともだち』、一夜限りの劇場公開

献血部の女子高生たちがヴァンパイアの少女を養う実写映画『血ぃともだち』が、新型コロナの影響による延期を経て一夜限りのイベント上映というかたちで初めて公開された。

2025令和712月
満74歳功労賞

東京アニメアワードフェスティバル2026のアニメ功労部門受賞者に選出

長年のアニメーション表現への貢献を称え、2026年3月開催のTAAF2026のアニメ功労部門受賞者に選出。安彦良和、小山茉美らとともに選ばれた。半世紀近くにわたる功績が、業界を代表する映画祭の場で公的に顕彰される機会となった。

2026令和811月
満75歳灰色の魔女

— 『装甲騎兵ボトムズ 灰色の魔女〈ヘクセ〉』第1作公開(2026年11月20日公開)

高橋良輔原作『装甲騎兵ボトムズ』シリーズの完全新作、全2部作の第1作が公開予定。2008年の『スカイ・クロラ』以来18年ぶりとなる長編アニメーション映画の新作監督作となる。サンライズ50周年記念作品としてサンライズとProduction I.Gが組む。押井は自身が『ボトムズ』の大ファンだったと語り、「ボトムズに立喰い蕎麦を出したりするんじゃないかと疑っている人もいるかもしれませんが、真面目にやってます。真面目に戦争アクションを作っています」とコメントしている。

本人ボトムズに立喰い蕎麦を出したりするんじゃないかと疑っている人もいるかもしれませんが、真面目にやってます。真面目に戦争アクションを作っています。

2026令和8
満74歳近況

現在 ―― 70代でなお新作を作り続ける

前年12月にTAAF2026のアニメ功労部門受賞者に選出され、11月には『装甲騎兵ボトムズ 灰色の魔女』第1作の公開を控える。東京大学大学院特任教授など教育の場での活動も続けながら、静岡県熱海市を拠点にいまも新作アニメ・実写映画を作り続けている。

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