京都で育ち、京都アニメーションへ
昭和59〜
京都府に生まれる
幼い頃から「ドラえもん」「クレヨンしんちゃん」やスタジオジブリ作品を好んで観て育ち、小学生の頃には「ドラゴンボール」や「機動警察パトレイバー」を模写するなど絵を描くことが好きだった。
京都造形芸術大学卒業、京都アニメーションへ
高校ではテニス部と写真部に所属。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)美術工芸学科洋画コースに進み油絵を専攻したが、3年次に「キャンバスでは自分がやりたい表現は出来ない」と感じ、発泡プラスチックを削るような立体造形制作へと軸足を移した(特撮部にも所属)。卒業後の2004年、京都アニメーションにアニメーターとして入社した。
『AIR』で初の原画を担当
入社後、テレビアニメ『AIR』で初めて原画を手がけ、アニメーターとしてのキャリアを歩み始めた。
『CLANNAD』第17話で演出デビュー
テレビアニメ『CLANNAD』第17話「不在の空間」(2月8日放送)の演出を担当し、一話全体の演出を初めて任された。以降、演出家としての評価を積み重ねていくことになる。
『けいおん!』で一躍脚光を浴びる
平成21〜
— テレビアニメ『けいおん!』で監督に抜擢
桜が丘女子高校の軽音楽部を描いた本作で、24歳という若さでテレビシリーズ初監督に抜擢された。台詞よりも表情やしぐさ、間で心情を伝える演出が評価され、東京アニメアワードやアニメーション神戸で優秀作品賞を受賞。若年層を中心に大きな反響を呼び、以降のキャリアを決定づける転機となった。
続編『けいおん!!』を監督
軽音部の3年生編を描いた続編テレビシリーズを監督。前作から続けて大きな人気を集めた。
『映画けいおん!』で長編初監督、日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞
軽音部メンバーの卒業旅行を描いた劇場版で、長編映画初監督を務めた。深夜アニメの劇場版として初めて第35回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞の受賞が決まり(授賞式は2012年3月2日)、興行収入は19億円を超えるヒットとなった。「唯たちは銀幕でもきっと映えるはず!」という思いで臨み、「本当に愛されている作品だなと思ったし、私にとっても宝物です」と語っている。
本人唯たちは銀幕でもきっと映えるはず!/本当に愛されている作品だなと思ったし、私にとっても宝物です 出典
京都アニメーションの看板監督として
平成25〜
オリジナルアニメ『たまこまーけっと』を監督
商店街の餅屋の娘を主人公にした、京都アニメーション初のオリジナルテレビアニメを監督。脚本家・吉田玲子とのタッグはこの作品から始まり、以降の代表作へと続いていく。
続編映画『たまこラブストーリー』公開
『たまこまーけっと』の続きを描いた劇場版が4月26日に公開され、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞した。
『響け!ユーフォニアム』に演出参加、『聲の形』の監督が決定
京都アニメーション制作の吹奏楽アニメ『響け!ユーフォニアム』シリーズに演出として参加。同年、大今良時の漫画『聲の形』を劇場アニメ化する監督に起用されることが決まった。
— 『映画 聲の形』公開、興収23億円のヒット
いじめを題材にした大今良時の漫画を映画化し、9月17日に公開。全国120館規模の公開ながら177万人を動員し、興行収入23億円を突破した。翌2017年には第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞など複数の賞を受賞し、この作品を境に国内外でその名が広く知られるようになった。制作にあたっては「決意としては原作をお嫁にもらう覚悟に近かった。お嫁にもらう限りは絶対に不幸にはしないという覚悟を持って制作に臨んだ。」と語っている。
世間公開前の試写を観た『君の名は。』の新海誠監督は「上品で端正な演出は、真似したくてもとても真似られそうもなく」とその演出を絶賛した(2016年9月8日)。
本人決意としては原作をお嫁にもらう覚悟に近かった。お嫁にもらう限りは絶対に不幸にはしないという覚悟を持って制作に臨んだ。 出典
『リズと青い鳥』公開
『響け!ユーフォニアム』のスピンオフとして、吹奏楽部の二人の少女の関係を繊細に描いた劇場アニメが4月21日に公開された。翌2019年、第73回毎日映画コンクール大藤信郎賞を受賞。
サイエンスSARUへ、新たな挑戦
令和1〜
京都アニメーションを離れ、サイエンスSARUへ
2019年、長く在籍した京都アニメーションを離れ、アニメーション制作会社サイエンスSARUへ活動の軸足を移した。
テレビシリーズ『平家物語』を監督、9年ぶりのテレビ新作
高野文子のキャラクター原案、吉田玲子の脚本による古典『平家物語』のテレビアニメ化。2021年9月にFODで先行配信されたのち、2022年1月からフジテレビ「+Ultra」枠などで放送された。サイエンスSARU移籍後初めてのテレビシリーズ監督作となった。
短編『Garden of Remembrance』、スコットランドでワールドプレミア
水沢悦子のキャラクター原案、ラブリーサマーちゃんの音楽による17分の短編アニメーションを発表し、スコットランドでワールドプレミア上映された。当初2023年公開予定として発表されたが、実際の一般公開(配信開始)は2024年8月30日となった。
オリジナル長編『きみの色』公開、上海国際映画祭で金爵賞
感情が色として見える少女を主人公にした、吉田玲子脚本によるオリジナル長編アニメーション。6月にフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭でワールドプレミア上映されスタンディングオベーションを受けたのち、上海国際映画祭でアニメーション部門最優秀作品賞(金爵賞)を受賞し、8月30日に日本で公開された。「わたしはアニメーションを作っているので、映像の言語で伝えられるものを探りたかった。言葉に頼りすぎなくても、なにかを伝えることはできるんじゃないか」と語っている。
本人わたしはアニメーションを作っているので、映像の言語で伝えられるものを探りたかった。言葉に頼りすぎなくても、なにかを伝えることはできるんじゃないか 出典
現在 ―― 新たな作品世界へ
令和7〜
『アン・シャーリー』OP・ED映像の絵コンテ・演出を担当
モンゴメリ原作を映像化したテレビアニメで、第3話(4月19日放送)からオープニング・エンディング映像の絵コンテ・演出を手がけた。
『天幕のジャードゥーガル』で総監督
トマトスープ原作、13世紀のモンゴルを舞台にした後宮譚をサイエンスSARUがテレビアニメ化。総監督を務め、テレビ朝日系「IMAnimation」枠・BS朝日で7月4日から放送が始まった。Prime Videoで観る(PR)
現在 ―― 『天幕のジャードゥーガル』総監督として
2026年は総監督を務める『天幕のジャードゥーガル』の放送が続いている。京都アニメーション時代からサイエンスSARUへと拠点を移しながらも、台詞に頼らない表情やしぐさ、間の表現で人物の心情を描く作風を一貫して追求し続けている。