秩父の高校生、背景美術からアニメの道へ
昭和41〜
埼玉県秩父市に生まれる
1966年3月20日、埼玉県秩父市に生まれた。高校在学中からアニメーションの自主制作に打ち込む少年時代を過ごした。
『スター・ウォーズ』日本公開、映像を作る仕事を志す原点に
中学1年生の時、日本公開された『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』を映画館で観て衝撃を受け、上映期間中は毎週末通い詰めた。この体験が、のちに映像制作の道を志す原点となった。
本人すでに将来は『スター・ウォーズ』を作る人になろうと思っていて、雑誌の記事の切り抜きをして資料を集めたりしていましたし、映画を作るスタッフの名前に興味を持ったのも、『スター・ウォーズ』が最初かもしれません。
県立秩父農工高校食品科学科を卒業
アニメーション研究会があることを理由に選んだ埼玉県立秩父農工高校食品科学科を卒業。表向きは調理師を志しつつ、在学中からアニメ制作への熱意を持ち続けた。
スタジオ風雅に入社、背景美術としてキャリアを開始
背景美術を手がけるスタジオ風雅に入社し、背景スタッフとしてのキャリアを歩み始めた。
『AKIRA』『魔女の宅急便』などの背景に参加
劇場アニメ『AKIRA』(1988年)、『魔女の宅急便』(1989年)などの背景スタッフとして参加。建物や街並み、光と空気感を画面に描き込む仕事で経験を積んだ。この背景美術出身という経歴が、のちの作品に見られる作り込まれた都市描写の土台になっている。
『BURN-UP』などで美術監督を務める
背景スタッフから、OVA『老人Z』の美術監督補、『BURN-UP』の美術監督などを経験し、画面全体の美術を統括する立場へと着実にキャリアを重ねていった。
『THE八犬伝』『ジェノサイバー』などで美術監督
OVA『THE八犬伝』新章、『ジェノサイバー 虚界の魔獣』など複数の作品で美術監督を務め、映像の世界観づくりを支える職人としての実績を積み重ねた。
押井塾で学び、攻殻機動隊の監督へ
平成8〜
プロダクションI.Gへ、押井守主宰「押井塾」に参加
プロダクションI.Gを拠点に、押井守が主宰する勉強会「押井塾」に参加。押井からは「級長のような存在」と評されるなど頭角を現し、演出・脚本の実践的な訓練を積んだ。これが背景美術出身の神山が演出・監督へと軸足を移す転機となった。
『人狼 JIN-ROH』の演出を担当
沖浦啓之監督の劇場アニメ『人狼 JIN-ROH』で演出を務め、押井塾での学びと並行して監督としての経験を重ねた。
『BLOOD THE LAST VAMPIRE』の脚本を担当
劇場アニメ『BLOOD THE LAST VAMPIRE』で企画協力・脚本を手がけ、脚本家としての実績も積んでいった。
— 『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』で監督デビュー
短編『ミニパト』を経て、士郎正宗の原作・押井守の劇場版とは異なる世界線を舞台にしたテレビシリーズ『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』で監督・シリーズ構成・脚本・絵コンテを一手に担当。1話完結の事件とシリーズ全体を貫く謎を組み合わせた構成が高く評価され、同年の文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞を受賞した。以後シリーズはDVD累計230万枚超の大ヒットとなり、全米ケーブルテレビでも視聴率1位を記録するなど海外でも支持され、神山の名を一躍広めた作品となった。
本人お茶の間に向けた『攻殻機動隊』である
『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』を発表
前作に続き監督・シリーズ構成・脚本・絵コンテを担当した続編。個人と国家、テロと情報操作というテーマをさらに掘り下げた。
『攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society』発表
2006年9月1日にPPV(パーフェクト・チョイス160)で先行放送され、10月23日には東京国際映画祭で上映、11月24日にDVDが発売された。劇場公開は2011年の3D版まで待つことになった。シリーズを通じたテーマの集大成となった。
原作から手がけるオリジナル創作者へ
平成19〜
『精霊の守り人』を監督
上橋菜穂子原作のファンタジー小説を、NHK-BS2で全26話のテレビアニメとして監督・脚本。異世界の女用心棒バルサと皇子チャグムを描き、原作ファンタジーの映像化でも手腕を示した。
— オリジナルアニメ『東のエデン』、原作・監督・脚本を担当
フジテレビ「ノイタミナ」枠で放送された完全オリジナル作品で、原作・全話脚本・監督を単独で担当。劇中に登場する携帯情報端末アプリが、当時話題を集めていたAR(拡張現実)アプリ「セカイカメラ」と連動する仕掛けで注目を集め、テクノロジーと社会を絡めた作風を象徴する代表作の一つとなった。
『東のエデン』劇場版I『The King of Eden』公開
テレビシリーズの完結編となる劇場版二部作の第1作『The King of Eden』が2009年11月28日に公開された。
『東のエデン』劇場版II『Paradise Lost』公開
劇場版二部作の第2作『Paradise Lost』が2010年3月13日に公開され、物語を締めくくった。
「STEVE N' STEVEN」を設立、経営者としての顔も持つ
博報堂・博報堂DYメディアパートナーズの出資を受け、アニメの企画・制作コンサルティングを行う会社「STEVE N' STEVEN」を設立し、代表取締役共同CEOに就任。監督業に加え、経営者としてアニメ業界の新しいビジネスの形を模索し始めた。
『009 RE:CYBORG』を監督
石ノ森章太郎原作の『サイボーグ009』を、テロと予知能力というテーマで再構築した劇場アニメを監督・脚本。
劇場アニメと海外配信、新たな挑戦へ
平成24〜
「STEVE N' STEVEN」を「クラフター」に社名変更
自身が代表を務める制作会社の社名を「STEVE N' STEVEN」から「クラフター」(CRAFTAR)に変更した。
劇場アニメ3部作『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』の総監督・脚本
『サイボーグ009』を原作とするフル3DCG劇場アニメ3部作『CYBORG009 CALL OF JUSTICE』の総監督・脚本を担当。第1章は2016年11月25日、第2章は12月2日、第3章は12月9日に公開された。
— 原作・監督・脚本を務めた『ひるね姫』が公開
夢の世界と現実世界を行き来する少女を描いたオリジナル劇場アニメで、原作・監督・脚本を担当。テレビシリーズ以外での監督としての評価をさらに高め、2018年の第41回日本アカデミー賞で優秀アニメーション作品賞を受賞した。
Netflix『ULTRAMAN』を荒牧伸志と共同監督
円谷プロの人気特撮『ウルトラマン』を原作漫画から映像化したWebアニメシリーズで、荒牧伸志と共同で監督を務めた。2022年まで続くシリーズとなった。
Netflix『攻殻機動隊 SAC_2045』配信開始
荒牧伸志と共同監督を務め、シリーズとして初めてフル3DCGアニメーションを採用したNetflixオリジナル作品。手描きアニメでの再現の難しさから3DCGを選んだ経緯があり、表現手法の刷新は賛否を呼んだが、シーズン2は2022年5月23日から世界独占配信された。
本人テクノロジーが人を救う物語にしようと思っていました。
『スター・ウォーズ:ビジョンズ』第1弾「九人目のジェダイ」を監督
日本のクリエイターが手がけるアンソロジーシリーズ『スター・ウォーズ:ビジョンズ』の一編として、短編「九人目のジェダイ」を監督。のちに長編シリーズ化される物語の原点となった。
WOWOW開局30周年記念アニメ『永遠の831』を監督
時間を止める力を持つ青年と少女の青春クライムサスペンス『永遠の831』を監督・脚本。WOWOWで放送後、3月には劇場アニメとしても公開された。
「クラフター」解散
自身が代表を務めていた制作会社クラフターおよびグループ会社クラフターエンジンの解散が発表された。
国境を越えて、いまも大型IPの監督として
令和5〜
— 『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』の監督を務める
ワーナー・ブラザース製作、『ロード・オブ・ザ・リング』三部作の200年前を描くシリーズ初のフル長編アニメーション作品『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』の監督を単独で務めた。米国では2024年12月13日、日本では2024年12月27日に劇場公開され、国境を越えて大型IPの監督として手腕を発揮した実績となった。
新作ガンダム『機動戦士ガンダムRG XARX-ZERO』の監督・シリーズ構成に決定
アニメーションとゲームが世界観を共有するメディアミックス企画「RGプロジェクト」の一作として、2027年展開予定の新作ガンダム『機動戦士ガンダムRG XARX-ZERO(アレックス ゼロ)』の監督・シリーズ構成を務めることが発表された。
本人いいじゃん、令和の時代に大好きなガンダムをゼロから作る機会を得ただけで最高かよ!そう思ったらなんかおもろいガンダムができてきた。
— 『スター・ウォーズ:ビジョンズ/九人目のジェダイ』総監督、8月5日配信(Disney+)
2021年の短編を長編シリーズ化した作品で、個々のエピソードだけでなく作品全体を統括する総監督を務める。プロダクションI.Gがアニメーション制作を担い、2026年8月5日からディズニープラスで日米同時・全話一挙配信される。かつて自らが映像制作を志すきっかけとなった『スター・ウォーズ』シリーズに、今度は作り手として深く関わることになった。
現在 ―― 国内外の大型IPを手がけるアニメ監督
2026年は『スター・ウォーズ:ビジョンズ/九人目のジェダイ』で総監督を務め、翌2027年展開予定の新作ガンダム『機動戦士ガンダムRG XARX-ZERO』でも監督・シリーズ構成を担う。国内オリジナル作品と海外大型IPの両輪で、いまも第一線の監督として活動を続けている。