生い立ちと英才教育
平成15〜
宮城県仙台市に生まれる
両親はともに中国出身の元卓球選手(父・張本宇、母・張凌はともに四川省出身。母は1995年に天津で開催された世界卓球選手権の代表選手だった)。2歳のとき母からラケットを渡され卓球を始め、地元の卓球大会で優勝を重ねるようになる。母は競技面だけでなく学業も重視する方針で育てた。
全日本選手権バンビの部で優勝、以後カブ・ホープスの各部門も制覇
2010年・2011年にバンビの部、2012年・2013年にカブの部、2014年・2015年にホープスの部でそれぞれ優勝し、年代別の全日本タイトルを総なめにした。小学3年生の頃から年代別ナショナルチームに選出され、ナショナルトレーニングセンターでの練習機会が増えていった。
父・妹とともに日本国籍を取得
仙台市で生まれ育ち、この時点で日本国籍を取得。以後、日の丸を背負う選手として国内外の大会に出場していくことになる。
世界ジュニア選手権(南アフリカ・ケープタウン)シングルスで史上最年少優勝
13歳163日での優勝は当時の世界ジュニア選手権史上最年少記録。同年からJOCエリートアカデミーに所属して東京で本格的な選手強化を受けるようになり、国際舞台での知名度を一気に高めた大会となった。
「怪童」から最年少王者へ
平成29〜
世界卓球選手権(ドイツ・デュッセルドルフ)でベスト8
男女を通じて史上最年少でのベスト8進出。同年はITTFワールドツアー・チェコオープンでも優勝し、ツアー史上最年少優勝記録を更新するなど、国際大会で次々と最年少記録を塗り替えていった時期にあたる。
— 全日本選手権男子シングルスで水谷隼を破り史上最年少優勝
14歳208日での優勝は男子シングルス史上最年少記録。当時の王者・水谷隼を4-2で破り、「水谷さんがこの10年ぐらいずっと追われる立場で優勝してきたので、ここからは自分の時代にしたい」と宣言した。以後「怪童」と呼ばれ、少年時代から国内トップに立つ選手として注目を集めるようになった。
本人水谷さんがこの10年ぐらいずっと追われる立場で優勝してきたので、ここからは自分の時代にしたい。 出典
ITTFワールドツアー・グランドファイナルで男子シングルス優勝
15歳172日での優勝はグランドファイナル史上最年少記録。同年開幕したTリーグには木下マイスター東京の一員として参戦し、国内リーグでも主力選手として戦うようになった。
全日本選手権で男子ダブルス初優勝
木造勇人と組んで優勝。世界ランキングもこの時期にトップ10入りし、10代前半から積み重ねてきた最年少記録の延長線上で、着実に世界のトップ集団へ近づいていった。
東京五輪、世界の壁
令和3〜
— 東京五輪男子団体で銅メダル
自国開催の大舞台で、準決勝(8月4日)でドイツに2-3で敗れたものの、3位決定戦(8月6日)で韓国を3-1で破り銅メダルを獲得した。「このメダルを意味のあるものにしていくためにももっと努力していきたいと思います」と振り返り、少年期からの最年少記録の先にある世界の頂点を、より強く意識するきっかけとなった。
本人このメダルを意味のあるものにしていくためにももっと努力していきたいと思います。 出典
海外挑戦とアジアの頂点
令和4〜
ドイツ・ブンデスリーガ1部のTTCノイ・ウルムに加入
国内シーズンの合間を縫って欧州リーグにも参戦し、ヨーロッパのトップ選手と対戦する機会を増やしていった。同年5月にはTリーグの琉球アスティーダと3年契約を結び、国内主戦場を移した。
アジアカップで優勝、世界ランキング自己最高の2位に浮上
アジアカップ優勝の勢いを受けて発表された世界ランキングで、日本男子史上最高となる2位に浮上した。少年期から重ねてきた最年少記録が、ここで一つの頂点に達した形となった。
全日本選手権で早田ひなと組んだ混合ダブルスが連覇、5月には世界選手権で銀メダル
同年5月の世界卓球選手権(南アフリカ・ダーバン)では、早田ひなと組んだ混合ダブルスで銀メダルを獲得。中国ペアが厚い壁として立ちはだかる種目でも、世界の表彰台に食い込める力を示した。
— 全日本選手権男子シングルスで2連覇中の戸上隼輔を破り6年ぶり2度目の優勝
8度のマッチポイントをしのいでの大接戦を制し、「やっと自分でも胸を張って日本のエースと言えるようになりました」と語った。2018年の最年少優勝から6年、少年時代に自ら宣言した「自分の時代」を、実力と結果の両面で体現した優勝となった。
本人やっと自分でも胸を張って日本のエースと言えるようになりました。 出典
パリ五輪で男子シングルスがベスト8、男子団体は4位
シングルス準々決勝では中国の世界王者・樊振東と3-4の大接戦の末に惜敗。団体戦でも4位に終わり、表彰台には届かなかったが、世界最上位の選手と互角以上に渡り合える力を示した大会となった。
— アジア選手権で優勝、日本男子として50年ぶりの快挙
決勝で中国の新鋭・林詩棟を3-1で破り優勝。男子シングルスでの日本勢優勝は1974年の長谷川信彦以来50年ぶりで、東京・パリと五輪では届かなかったアジアの頂点にこの大会で到達した。
新天地と世界ランク上位へ
令和7〜
トヨタ自動車に入社
3月に発表され4月1日付で入社。パリ五輪敗退の翌日に現地でトヨタの関係者から励まされた経験に触れ、これからは以前に増して勝利をともに喜び、敗戦を悔やむ仲間ができることを「光栄です」と語った。5月には岡山リベッツ(Tリーグ)が2025-2026シーズンからの複数年契約を発表し、実際のシーズン開幕は7月26日だった。
WTTファイナルズ香港で優勝
決勝でトルルス・モーレゴード(スウェーデン)を4-2で下し優勝。国内外のツアー戦線でも世界トップクラスの選手を相手に安定して結果を残せることを示した。
アジアカップで準優勝、2022年に続く2度目の決勝進出
決勝で世界ランク1位の王楚欽(中国)に2ゲームを奪うも敗れ準優勝。2022年大会以来となる優勝はならなかった。
世界卓球選手権(英・ロンドン、100周年大会)で男子団体準優勝、世界ランキングが自己最高タイの2位に浮上
「現時点では、このオーダーで臨める日本男子が過去最強だと胸を張って、もう自信を持って誰に対しても言える」と語った日本代表は決勝で中国に敗れ準優勝に終わったが、大会後の世界ランキングでは2022年12月以来3年半ぶりとなる自己最高タイの2位に浮上した。
本人現時点では、このオーダーで臨める日本男子が過去最強だと胸を張って、もう自信を持って誰に対しても言える。 出典
WTTチャンピオンズ横浜で2連覇、妹・美和とのWTTチャンピオンズ史上初の兄妹アベックV
地元開催の大会で日本の若手・松島輝空、韓国の呉晙誠(オ・ジュンソン)らを破り連覇を達成。同大会の女子で妹の張本美和も優勝し、WTTチャンピオンズ史上初となる兄妹アベック優勝となった。世界ランキングは4位(2026年8月時点)。少年期に宣言した「自分の時代」を、国内外の大会で結果を積み重ねながら更新し続けている。